東独関連

2020年7月 5日 (日)

コメコンデザインシリーズ(13) カールマルクスシュタットとライプツィヒ・ハレ 社会主義建造物を追って vol.2

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社会主義建造物の第2回。
2年前のドイツ行きでは、プラン段階ではカールマルクスシュタット(現ケムニッツ)も候補にしていたが、日数的に断念した。

ライプツィヒも1泊だけだったので、社会主義建造物の探索はできていない。
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社会主義関連・東独関連では、ゲヴァントハウス(上左、Gewandhaus)、メードラー・パッサージュの並びの現代史博物館(上右、Zeitgeschichtliches Forum Leipzig)で「ALLES NACH PLAN? Formgestaltung in der DDR」(計画によるのがすべて? 東独のデザイン)展を見たのと、旧国家保安省記念館(下、Gedenkstätte Museum in der „Runden Ecke“)を見ただけ。
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ゲヴァントハウス
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/7_6-il-62-gewan.html
現代史博物館
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/8_1-altes-ratha.html
旧国家保安省記念館
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/8_3-gedenksttte.html

ハレは、ヴェルニゲローデからライプツィヒに向かう途中で、乗り換えをしただけだが、しばらくすると空港駅もあった。
サイトを見てみると、ドレスデン空港と使い分けをしているようだ。
ウィーンからだとドレスデンは飛んでおらず、ライプツィヒに飛んでいる。
https://www.mdf-ag.com/

付録の、著者の3月の渡欧がちょうど国境閉鎖の時期と重なり、ハラハラドキドキ。
出国→フランクフルト(独)泊→クラクフ(波)泊→ドレスデン(独)3泊→ベルリン(独)泊→帰国、現地6泊機中2泊計8泊のあいだに4回の国境越え。

イスクラ
https://iskra.ocnk.net/product/19527

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2020年6月13日 (土)

DDR Volksmarine Kampfschiffe 1949-1990

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2010年刊行の、東独海軍の装備カタログである。
東ドイツにとっての海はバルト海だけだから、基本的には沿岸警備ということになるのだろう。
そして、逃亡者監視が人民海軍の任務でもあった。

それにしても、揚陸船があったことにびっくり。
旧東ドイツが面していた海はバルト海だけで、どこの海岸に上陸作戦を行おうと考えていたのかしら。
ワルシャワ条約機構軍の一員としてバルト海より西側の海に出ようにも、デンマークとスウェーデンの間を抜けていくことは、相当困難だろうに。
巻末に年表があるのが興味深い。

目次を日本語にしてみたが、不正確かもしれない。

はじめに
用語集/略語
フリーゲート
沿岸警備 50型(リガ級)
沿岸警備艇 1159型(コニ級)
コルベット駆潜艇
 潜水艦防衛船 133.1型(パルチン級)
駆潜艇
 駆潜艇 201M型(SO-1級)
 駆潜艇 12.4M型(ハイ級)
ミサイル高速艇
 ミサイル高速艇 205型(オサ-I級)
 小型ミサイル船 1241RÄ型(タランタル-I級)
 ミサイル高速艇 151型(バルコム-10級)
高速魚雷艇
 高速魚雷艇 183型(P-6級)
 高速魚雷艇 206型(シェルシェン級)
 軽高速魚雷艇 63/イルティス型(イルティス-A級)
 軽高速魚雷艇 68/ヒドラ型(イルティス-B級)
 小型高速魚雷艇 131型(リベレ級)
揚陸船
 上陸用舟艇 46型(ラボ−100級)
 中型揚陸船 47型(ロッベ級)
 中型揚陸船 108型(フロッシュ-I級)
 戦闘供給船 109型(フロッシュ-II級)
機雷敷設船/掃海艇
 掃海艇 R218型(511級)
 掃海艇 8型(シュヴァルベ級)
 機雷敷設船と掃海船 1型(ハビフト級)
 機雷敷設船と掃海船 15型(クラーケ級)
 掃海艦 89.1型(コンドル-I級)
 掃海艦 89.2型(コンドル-II級)
監視船
 沿岸警備艇 沿岸警備艇I/II(シュペルバー級)
 港湾警備船 デルフィン型(デルフィン級)
 沿岸警備艇 ティムラー型I/II(ティムラー級)
訓練船
 訓練艇 フュルステンベルクとプレンツラウ 2型
 訓練艇 WB26 5型(FLB-V級)
 訓練艇 エルンスト・テールマン 3型
 訓練船 ヴィルヘルム・ピーク 888型(ウォドニック級)
偵察船
 観測船 水理学(オケアン級)
 小型偵察船 115型(コンドル級)
 偵察船 ヤスムント 602.137型(ダース級)
海上航空隊
 多目的ヘリコプター Mi-4A(ホウンド)
 UAW-ヘリコプター Mi-4M(ホウンドB)
 輸送ヘリコプター Mi-8T(ヒップ)
 戦闘ヘリコプター Mi-8TB(ヒップE)
 UAW-ヘリコプター Mi-14PL(ハゼA)
 MAW-ヘリコプター Mi-14BT(ハゼB)
 戦闘爆弾機 Su-22M4(フィッターK)
 訓練戦闘機 Su-22UM3K(フィッターG)
年表
海軍組織

Knut Schäfer/著
Motorbuch Verlag
https://www.motorbuch-versand.de/product_info.php/info/p4435_DDR-Volksmarine.html

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2020年5月23日 (土)

コメコンデザインシリーズ10 マインプラネット 東ドイツのパッケージデザイン イスクラコレクションVol.1

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60年第70年代感満載で、ペラペラな感じとそれでも先端を行きたい思いとが交錯した、東独デザインの数々である。
2年前にドイツに行ったときに、ドレスデンで「Die Welt der DDR」に行ってきたのだが、「雑然」という語がぴったりな展示だったことを思い出す。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/10_1-die-welt-d.html
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/10_2-die-welt-d.html
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/10_3-die-welt-d.html
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/10_4-die-welt-d.html
https://www.weltderddr.de/

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そして、その名も「DDR Design」という本があるので、これもページをめくってみよう。

イスクラ
http://iskra.ocnk.net/product/19127


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2020年4月25日 (土)

HISTORISCHE FLUGZEUGE

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出版年は不明だが、東独で刊行された「歴史的航空機」である。
掲載されている飛行機の選択基準は、よくわからない。
オーストリアから、第一次世界大戦で日本が青島を攻略したときに、ドイツ側の偵察機として使用された「タウべ」が登場している。
日本の飛行機は、取り上げられていない。

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出版社の「トランスプレス出版社ベルリン(Transpress VEB Verlag für Verkehrswesen Berlin)」は、1960年にベルリンに設立された、鉄道や交通を専門とする出版社らしい。
再統一後、「ポール・ピエッチ出版社(Paul Pietsch Verlag)」に吸収されたようだ。
http://www.paul-pietsch-verlage.de/index.php?aktion=ausgabe&saktion=geschichte&sort=6701.02&grp=0&ump=6701.02&mp=&lk=&darst=&bestnr=&autornr=&sustr=&datsatz=0&detail=&saktion1=&id=xw99900Z0jNOklDpEFjlF53uLD20200419155917
「Bezirksschule der Zivilverteidigung 1115 Berlin」のスタンプと「249」という番号も書かれているので、「市民防衛ベルリン地区学校」の蔵書だったのかもしれない。
「1115」は、当時の郵便番号か。
「Zivilverteidigung」については、Wiki(独語版)に説明がある。
https://de.wikipedia.org/wiki/Zivilverteidigung_der_DDR

序文

航空機技術の進歩
掲載されている写真は、オットー・リリエンタール、ハンス・グラーデ、オーヴィル・ライト、フーゴー・ユンカース、アンドレイ・ニコラエヴィッチ・ツポレフ。

ベルギー
SABCA S-2

チェコスロバキア
Avia B-534
Letw S-328
Prafa E-114 "Air Baby"

ドイツ
Albatros B-I
Albatros B-II
Albatros C-V
Albatros C-VII
Albatros D-I
Albatros G-III
Albatros L-75 "Ass"
Albatros W-4
Albatros W-8
Blohm & Voss Ha-139
Blohm & Voss Ha-142
Buucker Bü-131 "Jungmann"
Dornier Do B "Merkur"
Dornier Do C-3 "Komet I/II"
Dornier Do D-1
Dornier Do X
Dornier Do-18
Dornier Do-26
Dornier Rs-I
Dornier Rs-II
Dornier Rs-III
Dornier Rs-IV
Dornier "Spatz"
Dornier "Wal"
Fieseler Fi-156 "Storch"
Focke-Wulf A-16
Focke-Wulf A-17 "Möwe"
Focke-Wulf F-19 "Ente"
Focke-Wulf FW-44 "Stieglitz"
Focke-Wulf FW-56 "Stösser"
Focke-Wulf FW-200 "Condor"
Fokker D-VII
Fokker Eindecker
Fokker "Spinne"
Friedrichshafen FF-33
Grade Eindecker
Heinkel He-45
Heinkel He-46
Heinkel He-50
Heinkel He-51
Heinkel He-59
Heinkel He-60
Heinkel He-63
Heinkel He-70 "Blitz"
Heinkel He-111
Heinkel He-116
Heinkel He-176
Heinkel He-178
Junkers F-13
Junkers G-23
Junkers G-24
Junkers G-38
Junkers Ju-52 / 3m
Junkers Ju-90
Junkers W-33
Lilienthal "Gleitflugzeug"
Messerschmitt M-20
Messerschmitt Me-108 (Bf-108)
Messerschmitt Me-109 (B f-109)
Rohrbach "Roland"
Rohrbach "Romar"
Siebel Fh-104
Siebel Si-202 "Hummel"
Siebel Si-204
Udet U-12 "Flamingo"
Zeppelin Staaken 8301

フランス
Blériot "La Manche" "La Manche"
Blériot XI/2
Bréguet XIX
Bréguet 462
Bréguet 521 "Bizerte"
Caudron G-3
Dewoitine 338
Farman MF-7
Latécoère 28
Nieuport-Dunne
SPAD 13

大英帝国
Boulton-Paul "Defiant"
De Havilland DH-2
De Havilland DH-60 "Moth"
De Havilland DH-89A "Rapide"
Fairey "Swordfish"
Handley Page 0/400 (H. P. 12)
Handley Page V/1500
Hawker "Hurricane"
S. E. 5 und S. E. 5a
Short "Calcutta"
Short "Empire Boat" (C-Klasse)
Short "Singapore"
Sopwith "Camel" F. I
Sopwith "Pup"
Sopwith 7 F. I "Snipe"
Vickers Supermarine "Spitfire"
Vickers "Vimy"

イタリア
Breda 25
Aeronautica macchi MC-72
Aeronautica macchi MC-94
Aeronautica macchi MC-200
Savoia-Marchetti S-73 (S-81)

オランダ
Fokker F. VII-3m

オーストリア
Etrich "Taube"

ポーランド
PZL Ł-2
PZL-5
PZL P-11C
PWD-2
PWD-4
PWD-8
PWD-10
PWD-13

ロシア
"Ilja Muromez"
"Russki Witjas"

ソ連
Berijew Be-2 (MBR-2, Np-1)
Berijew KOR-1
Bolchowitinow BI-1
ChAI-1
Grigorowitsch I-2 bis
Iljusshin Il-2
Iljusshin Il-4 (ZKB-30, DB-3)
Iljusshin Il-10
Jakowlew Ja-6 (AIR-6)
Jakowlew Jak-1 (I-26)
Jakowlew Jak-3 (I-30)
Jakowlew Jak-4 (BB-22)
Jakowlew Jak-15
Jakowlew UT-1 (AIR-14)
Jakowlew UT-2
Jermolajew Jer-2 (DB-240)
Lawotschkin-Gorbunow-Gudkow LaGG-3 (I-301)
Lawotschkin La-5
Lawotschkin La-7
Lawotschkin La-11
Li-2 (PS-84)
Milpjan-Gurewitsch Mig-1 (I-61)
Milpjan-Gurewitsch Mig-3 (I-200)
Milpjan-Gurewitsch Mig-9 (I-300)
Mjassischtschew DWB-102
Petljakow Pe-2
Petljakow Pe-8 (TB-1, ANT-42)
Polikarpow I-1 (IL-400bis)
Polikarpow I-3
Polikarpow I-5
Polikarpow I-15 (ZKB-3)
Polikarpow I-16
Polikarpow I-153
Polikarpow Po-2 (U-2)
Polikarpow R-5
PS-89 (SIG-1)
R-1
Schawrow Sch-1 / Sch-2
Schtscherbakow Schtsch-2
Stahl-2
Suchoj Su-2 (ANT-511-360)
Tupolew ANT-2
Tupolew ANT-3 (R-3)
Tupolew ANT-4 (TB-1)
Tupolew ANT-5 (I-4)
Tupolew ANT-6 (TB-3)
Tupolew ANT-9
Tupolew ANT-14
Tupolew ANT-20 "Maxim Gorki"
Tupolew ANT-20bis
Tupolew ANT-22 (MK-1)
Tupolew ANT-25 (RD)
Tupolew ANT-35 (PS-35)
Tupolew ANT-40 (SB)
Tupolew ANT-44 (MTB-2)
Tupolew TU-2 (ANT-58)

アメリカ
Bell X-1
Bellanca WB-2 "Columbia"
Consolidated Modell 28 "Catalina"
Dougas "Cloudster"
Lockheed "Orion"
Martin Model 170 "Mars"
Martin MB
Ryan MYP "Spirit of St. Louis"
Sikorsky S-38
Sikorsky S-40
Sikorsky S-41
Sikorsky S-42
Wright "The Flyer"

HEINZ A. F.SCHMIDT/著
Transpress VEB Verlag für Verkehrswesen Berlin

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2020年4月23日 (木)

鉄道のドイツ史 帝国の形成からナチス時代、そして東西統一へ

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「鉄道のドイツ史」であって「ドイツの鉄道史」ではない。
鉄道をめぐる、ドイツの経済史であり社会史である。
以前「ハプスブルク帝国の鉄道と汽船」を読んだことがあって、そのドイツ版かと思ったのだが、違った。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-b7bc.html

「ドイツ」といっても、その実態は時代によって大きく変わるので、著者は「ドイツ語圏」と表現しているようだ。
ドイツに鉄道が開通したのは1835年、当時はオーストリア帝国、プロイセン王国、4のの帝国自由都市(リューベック、フランクフルト、ブレーメン、ハンブルク)その他の領邦からなる「ドイツ連邦」は存在していたが、統一された「ドイツ」という国はまだ登場していない。
その「ドイツ連邦」、普仏戦争で成立した「ドイツ帝国」、第一次世界大戦後の「ヴァイマル共和政のドイツ」、さらに第二次世界大戦後の東西ドイツ、1990年の再統一後のドイツ、それぞれの領土は、絶えず動いていた。
その「ドイツ」のつかみどころのなさを、本書「鉄道のドイツ史」でどのように伝えているか。
例えば、目次を見たところ、本書の記述は経年的になっているように思うのだが、実際は、各章の中でも歴史的に記述されていて、ある章からある章に移ったときに、前章の時代から記述が続いているわけではなく、再び以前の時代に戻り別のテーマで記述される。
そのテーマも多様だし、「ドイツ鉄道」とは直接関係のなさそうな記述も出てくる。
ドイツの鉄道は、最初から単一の「ドイツ鉄道」として発展してきたのではないことから、本書のテーマが多様さに満ちてしまうのは当然なのだが、ある意味では、本書そのものが、著者が伝えたい「ドイツ」のつかみどころのなさを表すことになったのだろう。

このことからか、本書の構成は、「ドイツ語圏」にある様々な国・領邦のそれぞれの産業の発展と諸国間の関係や鉄道へのかかわり、1871年の、プロイセン国王ヴィルヘルム1世をドイツ帝国皇帝とした統一国家を経ての鉄道、戦争、戦間期、そして戦争、東西分裂と再統一といった鉄道をめぐる190年ほどの歴史のなかで、1848年革命までが約半分、ライヒスバーンの成立(1920年)までの約90年についての記述が本書の三分の二以上のページを占めることになっている。
そのためか、WWIでの様子はあっけないほど少ないし、ライヒスバーン設立後の記述、WWII以後の記述も少ないように思う。
DDR時代の国鉄は「DR(Deutsche Reichsbahn)」との名称を使っていたが、帝国時代ナチス時代からの「Reich」をそのまま使用し続けたことにも触れている(P.254)のが興味深い。

P.141に、「一九八〇年代以降の欧米やそれに触発されたわが国のドイツ「三月革命」史研究が、従来の思考の固い枠組みを離れて着目したのは、もちろん市民ならざるものたちであった」という記述があり、続いて『「乱痴気」「向こう岸」といった印象的な単語が「三月革命」史に登場したとき、私たちの司会は一気に広がった』とある。
「乱痴気」「向う岸」と言えば、「青きドナウの乱痴気」「向う岸からの世界史」だろうし、良知力氏の名前が思い出される。
「乱痴気」「向う岸」もドイツ「三月革命」と同じ一八四八年革命の流れでの、ウィーンでの様相を言い表しているので、参考文献には出てきていない。
著者とは世代は異なるが、どこかで繋がりがあったのだろうか。

P.171に、ライプツィヒ-ドレスデン鉄道が1839年に全通したとの記述があるが、この路線は2018年にライプツィヒからドレスデンまで、ICEに乗って約1時間で走った。
そのときは、そんな古い歴史のある路線であることは、知らなかった。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/8_5-von-leipzig.html

ドイツを鉄道で移動すると、大きな街からの出発であっても、列車はすぐに都市ではないところを走る。
都市、街、村は、それぞれが独立して存在している。
そうした景色を思い浮かべながら本書を読むと、つかみどころのない「ドイツ」の鉄道が、どのように現在の姿になったのかのイメージもつかめるように思う。

序章 ドイツ鉄道史ひと筆がき―「本書の構成」に代えて
第1章 鉄道建設の背景―ドイツをもとめて
第2章 鉄道時代のはじまり―一九世紀初頭~一八三〇年代
第3章 初期鉄道建設の担い手たち―一八三〇~四〇年代
第4章 鉄道の一九世紀ドイツ経済史
第5章 ドイツ的な、あまりにドイツ的な?―国家官僚制と鉄道
第6章 鉄道技師の世界、あるいは怪人vs役人
第7章 幕が下りてから―一八四八・四九年革命とその後
第8章 ドイツ・ライヒの鉄道
第9章 国際化と戦争と
第10章 共和国からナチス・ドイツへ―一九二〇年代後半~一九四五年
第11章 「時流が厳しく分けたもの」―二〇世紀後半のドイツ国鉄
終章 過去と未来の鉄道

鴋澤歩/著
中央公論社
http://www.chuko.co.jp/shinsho/2020/03/102583.html

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2020年3月30日 (月)

コメコンデザインシリーズ(12) アイゼンヒュッテンシュタットとドレスデン 社会主義建造物を追って vol.1

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アイゼンヒュッテンシュタットは、映画「僕たちは希望という名の列車に乗った」の舞台となったところで、第二次世界大戦後に製鉄業の街としてスターリンシュタット(Stalinstadt)の名称で建設され、1961年に製鉄の町であることから「鉄の街=アイゼンヒュッテンシュタット(Eisenhüttenstadt)」となった。
映画は見た。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-371ced.html
原作の「Das schweigende Klassenzimmer」と邦訳の「沈黙する教室」も、読んだ。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2019/10/post-b5ab06.html
映画のシナリオ本も入手してあるが、まだ読んでいない。

ドレスデンには2018年に行った。
文化宮殿(Kulturpalast、トップに掲載した画像の建物)は、見た。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/8_6-kreutzkamm-.html

DDR博物館、正式には「ドイツ民主共和国の世界」(Die Welt der DDR)は、じっくり見た。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/10_1-die-welt-d.html
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/10_2-die-welt-d.html
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/10_3-die-welt-d.html
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/10_4-die-welt-d.html
なんでスーパーの一角にあるのだろうと不思議だったのだが、その経緯は本書で知ることができた。

ドレスデン中央駅から試しに市電に乗ってみたとき、市電の窓からPlattenbauっぽい集合住宅の集まった団地が見えたのだが、じっくりとはみなかったので、DDR時代からのものかどうかはわからない。
当時本書が出ていたら、2018年のドレスデン歩きは、もっと違っていたかもしれない。

イスクラ
https://iskra.ocnk.net/product/19363

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2020年3月18日 (水)

KLEINER WELTATLAS

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ゴータにあった地図出版社「VEB Hermann Haack Geographisch-Kartographische Anstalt Gotha」の小型世界地図。
日本の奥付のように出版年月日を入れていませんが、1960年のもののようで、この時代はまだ壁はありませんでした(壁の建設は1961年8月から)。

どのような地図なのか、今は変化してしまったところを中心に眺めてみました。

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まずはドイツ。

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東の方が濃い赤で国境が縁取りされています。

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記述のページは、「DEUTSCHE DEMOKRATISCHE REPUBLIK」と「WESTDEUTSCHLAND」、「ドイツ民主共和国」と「西ドイツ」。

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スイスとオーストリア、国境そのものは今と変わりありません

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アドリア海に面した青い縁取りの国は、ユーゴスラビアです。

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今は無き「UNION SOZ. SOWJ. REP.」、ソビエト社会主義共和国連邦。
記述のページはもちろん「UNION DER SOZIALISTISCHEN SOWETREPUBLIKEN」。

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部分図として、ヨーロッパ部分、西アジア部、東アジア部分と3ページにわたっています。

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千島列島は、ソ連領として色付けされています。

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朝鮮半島は、休戦ラインは表示されていますが、「KOREA」と一刻扱い。
朝鮮半島の記述は「KOREANISCHE VOLKSDEMOKRATISCHE REPUBLIK」と「SÜDKOREA」、「朝鮮民主主義人民共和国」と「南朝鮮」。

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そして沖縄は、「RIUKIU」と赤の破線で囲まれています。
奄美諸島は1953年に日本に復帰しているので、赤破線の中にはありません。
尖閣諸島は、どうも赤破線枠の中にありそう。

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記述でも、沖縄は「琉球」として独立しています。

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ベトナムは一国として描かれています。
パキスタンは「WESTPAKISTAN」と「OSTPAKISTAN」との表記(西パキスタンと東パキスタン)で、1971年独立のバングラデシュは、まだ、ありません。

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記述を見ると、「DEMOKRATOSCHEN REPUBLIK VIETNAM」と「SÜD VIETNAM」、「ベトナム民主共和国」と「南ベトナム」。

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キューバはバチスタ時代か革命後か、微妙。
グアンタナモの記載はなさそうです。
アフリカの年と言われる1960年に多くのアフリカの国が独立しましたが、この地図で独立した国の名称は書かれているものの、国境の色分けは他の国ほどには明確ではありません。

目次
 テキスト、地図
発音規則
 ポーランド語、チェコ語・スロバキア語・ソロベニア語・クロアチア語・セルビア語、ハンガリー語、ルーマニア語、デンマーク語・ノルウェー語・スウェーデン語、オランダ語・フランドル語、英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語
地理学的数値
 地球(大きさ、緯度経度、タイムゾーン、大陸、海、近海と沿海、海峡、半島、島、高度、川、内陸湖、雪山脈、氷河、氷河域、最高度居住地、山岳鉄道が到達する最高度、トンネル、百万都市)
 ヨーロッパ(ドイツ民主共和国、西ドイツ、スイス、リヒテンシュタイン、オーストリア、チェコスロバキア、ポーランド、ハンガリー、ユーゴスラビア、ルーマニア、ブルガリア、ギリシャ、アトス、アルバニア、イタリア、バチカン、サンマリノ、マルタ、スペイン、ジブラルタル、ポルトガル、アンドラ、フランス、モナコ、ベルギー、ルクセンブルク、オランダ、イギリス、マン、カナル諸島、アイルランド、アイスランド、デンマーク、ノルウェー、スヴァールバル諸島とヤンマイエン島、スウェーデン、フィンランド)
 ソ連
 アジア(トルコ、キプロス、シリア、レバノン、ヨルダン、イスラエル、サウジアラビア、イエメン、アデン、アデン従属地域、マスカットとオマーン、休戦オマーン、カタール、バーレーン島、クェート、イラク、中立地帯、イラン、アフガニスタン、パキスタン、インド連邦、ブータン、ポルトガル領インド、セイロン、モルジブ、ネパール、ビルマ、たい、マレーシア連盟、シンガポール、北ボルネオ、サラワク、ブルネイ、インドネシア共和国、ポルトガル領チモール、フィリピン、カンボジア、中国、台湾、マカオ、ラオス、ベトナム民主共和国、南ベトナム、香港、日本、琉球、朝鮮人民ミンスy主義共和国、南朝鮮、モンゴル人民共和国)
 オーストラリア/オセアニア(オーストラリア、ココスまたはキーリング諸島、ノーフォーク諸島、ニュージーランド、西イリアン、パプア、ニューギニア、ナウル、イギリス領太平洋諸島、ニューヘブリディーズ、ニューカレドニア、フィジー諸島、フランス領ポリネシア、グアム、マリアナ・カロリン・マーシャル・パラオ諸島、西サモア、アメリカ領サモア、ハワイ)
 北および中央アメリカ(アラスカ、カナダ、サンピエール島・ミクロン島、グリーンランド、アメリカ合衆国、ばミューファ諸島、西インド連邦、バルバドス、ジャマイカ、トリニダード・トバゴ、リーワード諸島、ウィンドワード諸島、バージン諸島、プエルトリコ、ドミニカ共和国、ハイチ、キューバ、バハマ諸島、グアドループ、マルティニーク、小アンティル諸島、メキシコ、グアテマラ、ホンジュラス、英領ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカ、パナマ、パナマ運河地帯
 南アメリカ(コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチン、フォークランド諸島、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、フランス領ギアナ、ベネズエラ)
 アフリカ(アラブ連合共和国・エジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコ、スペイン領西アフリカ、ガーナ、マリ連邦、モーリタニア、象牙海岸、オートボルタ、ダホミ、ニジェール、チャド、中央アフリカ、コンゴ、ガボン、ガンビア、ポルトガル領ギニア、シエラレオネ、リベリア、ガーナ、トーゴ、ナイジェリア、カメルーン、スペイン領ギニア、コンゴ、ルアンダ・ウルンジ、ポルトガル領西アフリカ、南西アフリカ、南アフリカ連邦、ベチュアナランド、バストランド、スワジランド、ローデシア・ニヤサランド連邦、ポルトガル領東アフリカ、タンガニカ、ケニア、ウガンダ、スーダン、ソマリア、フランス領ソマリランド、エチオピア、カナリア諸島、カペヴェルデ諸島、セントヘレナ、アセンション、トリスタンダクーニャ、サントメ・プリンシペ、マダガスカル、カメルーン、レユニオン、サンジバル、モーリシャス、セーシェル)
 南極
索引、寸法と重量

地図
地球/両極、ヨーロッパ、中欧、両ドイツ(北部とデンマーク)、両ドイツ(南部)、スイス、チェコ西部とオーストリア、ベネルックス、スカンジナビア、バルト諸国、ドナウ諸国、バルカン諸国/西トルコ、イタリア、スペイン/ポルトガル、フランス、イギリス諸島、ソ連のヨーロッパ部分/ソ連の西アジア部分/ソ連の東アジア部分、アジア、オリエント、南西アジア、南東アジア、オーストラリア/オセアニア、北アメリカ、アメリカ合衆国/メキシコ、大きな湖、中央アメリカ、南アメリカ、アフリカ

索引

Hermann Haackについての、Wikiの記事。
https://de.wikipedia.org/wiki/Hermann_Haack_(Kartograf)

200311_181  200311_182
本書を送ってきていただいたショップがお使いになった詰め物が、これまたいい雰囲気。
Rimiというスーパーの、セールのカタログをひっちゃぶいたペーパーです。
このスーパー、ラトビアに本社があって、バルト三国に店舗展開しているようです。
このペーパーも、「KLEINER WELTATLAS」に挟んで保存です。

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2020年2月19日 (水)

コメコンデザインシリーズ(11) 「在りし日の食堂で」社会主義食堂レシピ vol.5

200109_001  200109_002
各国のレシピは、
東ドイツ:2
ポーランド&ウクライナ:1
リトアニア:2
ラトビア:2
ハンガリー:1
ロシア:4
グルジア:1
マケドニア:1
ブルガリア:1

巻末のグルジア旅の写真、社会主義的デザインが残っているのだな。
ワインが出てこない・・・。
旧東ドイツ駆け抜け旅じゃ、あまり見かけなくなっていて、ドレスデンの文化宮殿(Kulturpalast)が、それっぽかったけれど。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/8_6-kreutzkamm-.html

第1集
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/08/20vol1-9afd.html
第2集
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/10/22vol2-e41b.html
第3集
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/620vol3-3dca.html
第4集
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-0264ad.html

イスクラ
http://iskra.ocnk.net/product/19228

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2020年1月22日 (水)

コメコンデザインシリーズ8 「ウンゼレ ハイマット 我らがふるさと」旧東ドイツチューリンゲンのおもちゃ街道を訪ねて

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以前、「DDR Spielzeug」という東ドイツの玩具の本を読んだが、ホセとイスクラさんが訪れたゾンネベルクは玩具生産地としてなんども出てきた。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-5b29.html
ここまで行くのも、ちょっと大変そうだ。

玩具類は、ドレスデンのDDR博物館にもたくさん展示されていた。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/10_3-die-welt-d.html
そして、プラッテンバウ(Plattenbau)の様子も再現されていたが、これをそのまま縮小すれば、ドールハウスになりそうだった。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/10_2-die-welt-d.html

第一部
アリドールとの出会い
私は、私は一体...どこから...?
郷土資料館を訪ねて
A.Riedelerの歴史
アリドールのあれこれ
スタイリッシュなドールハウス家具
ドールハウスの焦点に並んでいたもの
仲間たち
第二部
ゾンネベルクへ
ゾンネベルク地方のおもちゃ産業の歴史
コンビナートと周辺で作られていた製品
終わりに

イスクラ
http://iskra.ocnk.net/product/18742

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2019年10月12日 (土)

Das schweigende Klassenzimmer/沈黙する教室

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先日見た映画「僕たちは希望という名の列車に乗った」の原作を、独語原著と翻訳とを同時進行で読む。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-371ced.html
原著のサブタイトルは「Eine wahre Geschichte über Mut, Zusammenhalt und den Kalten Krieg」、「勇気、結束、冷戦についての真実の物語」ってところか。
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邦訳本(本書)のサブタイトルは「1956年東ドイツ—自由のために国境を越えた高校生たちの真実の物語」。

映画と本書とでは、黙祷事件→調査→退学処分→西への逃亡という大筋のストーリーは同じだが、ひとつひとつのエピソードは異なっている。
映画でのような盛り上がりシーンは、ない。
また、映画の登場人物に相当するような人物は、本書には明確には登場しない。
そして、原著は発言をクォーテーションマークで囲んでいないので、発言なのか文章なのかが判然としないところが多々ある。
改行位置も、原著と訳書とでは異なっているところが多い。

そして、「全訳」(訳者あとがき、P.416)となっているが、ところどころ訳されていない文章がある。
●原文「...und im Rückspiel in Budapest mit 7 : 1 nach Hause schickte. Wir konnte die Spiele im DDR Rundfunk verfolgen. Dass diese ungarische Mannschaft im WM-Endspiel 1954 gegen Deutschland verloren hatten...」(P.34)は、「...さらにブダペストで行われた第二試合では、七対一の大差で勝利し、ホームへ送り返したのである。このハンガリーチームは一九五四年のW杯決勝でドイツに敗退したが...」(P.51)と、「Wir konnte die Spiele im DDR Rundfunk verfolgen.」(私たちは東独の放送で試合を追うことができた。)の訳文がない。
●本書P.102の「RIASがハンガリーの自由放送局による支援の呼びかけを流した。」の次の「Einigen von uns ruft er immer noch ins Ohr.」(P.64)が訳されていない。
訳されていない文章は、他にもあり。

また、この訳でいいのかしらと思うところもある。
本書P.18最終行「その三年前にあたる一九五三年六月十一日」、原文は「Drei Jahre zuvor, am 17. Juni 1953」(P.16)、「17」がなぜ「十一日」になった?。
当然「6月17日蜂起」(Aufstand des 17. Juni)であるなら「一九五三年六月十七日」でなきゃ。
本書P.266では「一九五三年六月十七日の暴動」となっている。

これは原著への疑問だが、本書P.27の2行目「それからカラシニコフを構えたロシア兵が穴に入ってきて」、原文は「Denn kam ein Soldat mit einer vorgehaltenen Kalaschnikow.」(P.21)とあるが、「カラシニコフ」が設計したAK-47がソ連で採用されたのは1949年で、ドイツに侵攻したソ連軍は、当時はまだ所持していなかったのではないか。
当時だと、ドラム型弾倉のPPSh-41、バラライカまたはマンドリンではなかったか。
本書P.35の歴史教科書について「(フォルク・ウントヴィセン社)、一九五三年。」とあるが、原文の「Volk und Wissen Volkseigener Verlag Berlin, 1953, das..」(P.25)は「(フォルク・ウントヴィセン社、一九五三年)」とする方がいいと思う。
「人と知識人民出版社」としてしまうかは別として。
なお、「Volk und Wissen Volkseigener Verlag」は再統一後民営化され、存続しているようだ。
https://www.cornelsen.de/empfehlungen/volk-und-wissen
本書p.37「領土の二万八千五百三ヘクタール」の原文は「Gebiet von 28.5 Millionen Hektar」(P.27)だから、「二千八百五十万ヘクタール」だろう。
本書P.65の市長フランツ・ベッカーのが書いた言葉の中に、学校が「民主主義と人文主義の、シンボル」とされている記述があるが、「ein Symbol der Demokratie und des Humanismus」(P.43)は、「人文主義」ではなく「ヒューマニズム」でいいのではないか。
本書P137「大臣にはすでに首謀者の検討がついていた。」は、「大臣にはすでに首謀者の見当がついていた。」
本書P.174「Sバーン」が2か所に出てくるが「(国営の都市近郊鉄道)」と注釈がついているのは、2度目の「Sバーン」、ホントは最初の「Sバーン」につけなきゃ。

以外にも、日本語としてこなれていない、意味不明な文章も多いと感じたのだが、原著著者じしんが文章を生業とする人ではないのだろうし、映画に合わせた突貫工事での翻訳だったであろうことは、想像できる。

シナリオ本もあるので、おいおい読んでみよう。

Dietrich Garstka/著
Ullstein Buchverlage GmbH, Berlin
https://www.ullstein-buchverlage.de/nc/buch/details/das-schweigende-klassenzimmer-9783548607696.html

ディートリッヒ・ガルスカ/著
大川珠季/訳
アルファベータブックス
https://ab-books.hondana.jp/book/b439134.html

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