ドリトル先生

2016年6月 4日 (土)

第一次世界大戦史 諷刺画とともに見る指導者たち

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「忘れられた戦争」たる第一次世界大戦を、サブタイトルにあるように指導者たちが何を選択しどんな行動をとったか、そして指導者たちがカリカチュアされて描かれた多くの風刺画とともにふりかえる。
「指導者が歴史を動かす」的な歴史観の書籍として読むのではなく、あくまでも風刺画とそこに描かれた人物が行ったこと行わなかったこと、そして指導者たちの選択、行動の背景に何があったのか、そして選択や行動が他にどのような影響を及ぼすに至ったのか、などを考えながら読む書籍であろう。
軍事的なもの以外の背景や影響までは記述されておらず、そのいみでは「読み物」ではある。
惜しむらくは、地図がないこと。
第一次世界大戦関連の書籍は何冊及んでいるので、記述から大体の場所のイメージはつくけれど。やはり、記述に沿った地図があると、理解に役立つ。

第一次世界大戦と日本との関係は、青島と膠州湾の要塞の攻略、赤道以北の南洋諸島の占拠、インド洋や地中海での船団護衛などに当たっているが、本書では青島攻略が記述されている(P.58~61)。
ただし、この時膠州湾にいたオーストリア海軍については触れられていないし、賃貸で捕虜となった同盟軍将兵の日本での不慮生活についても触れられていない。

この戦争におけるオーストリア軍について、こんな記述がある(P.97~98)。
コンラートだけに責任があるのではないが、オーストリア軍は弱かった。東部戦線が長く、敵と接触する面が多いと言う事情もあるが、オーストリア軍は捕虜になる確率も非常に高かった(ただ、同じく東部戦線にいるドイツ軍に捕虜はあまり出ていない)。これは士気の低さもあったと考えられる。非ドイツ系民族の兵士には、逃亡や集団投降も目立った。装備も貧弱で、ドイツ軍、フランス軍、イギリス軍などと比して、オーストリア軍(それとロシア軍、イタリア軍)は一段も二段も劣っていたのだ。
この記述を裏付ける根拠は挙げられていないが、非ドイツ系民族の兵士たるシュベイクもロシア軍の捕虜となっており、これを読めば、大いにうなずける話だ。

ウィーンに行ったら、軍事史博物館の第一次世界大戦のところを、もうちょっとつぶさに見てみようかしら。

序章 七月危機から大戦勃発まで
第1章 一九一四年終わらなかった戦争
第2章 一九一五年長引く戦争
第3章 一九一六年消耗戦の展開
第4章 一九一七年アメリカ来たりてロシア去る
第5章 一九一八年ドイツの賭けと時の運
終章 ヴェルサイユ条約とその後の群像
あとがき
図版リスト
主要参考文献
第一次世界大戦関連略年表

飯倉章/著
中央公論社

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2014年8月 1日 (金)

石井桃子のことば

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石井桃子さんがさまざまなところに書いた「ことば」と、かかわりのあった人たちの思い出の文、そして数々の写真で構成されている。
でも、「ことば」をこうして切り取ってしまっていいのかとも思う。
「石井桃子全著作リスト」は、各著作の表紙画像がついているので、タイトルだけでは思い出せなくても表紙の画像で思い出せるものがたくさんあった。

NHKの朝ドラに関係しているのか、石井桃子さん関連の書籍が相次いで出版されている。
「考える人 2014年春号」
「石井桃子の翻訳はなぜ子どもをひきつけるのか」
そして6月末に、「ひみつの王国―評伝 石井桃子―」が刊行された。

世田谷文学館に「石井桃子展」を見に行ったのは、4年前だった。

第1章 石井桃子の仕事
 クマのプーさん
 ドリトル先生「アフリカ行き」
 ノンちゃん雲に乗る
 小さい牛追い
 ムギと王さま
 ハンス・プリンカー
 とぶ船
 ちいさいおうち
 やまのこどもたち
 山のトムさん
 やまのたけちゃん
 ちいさなうさこちゃん
 ピーターラビットの絵本
 子どもの図書館
 子どもと文学
 児童文学論
 児童文学の旅
 幼ものがたり
 幻の朱い実
 インタビュー「岩波児童文学」創刊のころ
 石井桃子全著作リスト
第2章 石井桃子の生涯
 幼いころ
 児童文学の世界へ
 農業時代
 海外留学
 子ども文庫とともに
 執筆生活
 年譜
第3章 石井桃子と私
 中川李枝子
 松居直
 松岡享子
 若菜晃子
 西村素

中川李枝子、松居直、松岡享子、若菜晃子、西村素/著
新潮社

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2014年5月15日 (木)

考える人 2014年春号 海外児童文学ふたたび

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2014年はトーベ・ヤンソンの生誕100年、ということで表紙がトーベ・ヤンソンなのだなと思ったら、イギリスで刊行された「Tove Jansson Life, Art, Words」の表紙だ。
新潮社からの邦訳出版が予定されているらしい。

「私を育ててくれた一冊」に登場する本は、それぞれ執筆者の選んだ一冊ではあるが、一冊が選び出されるまでに数多くの「一冊」がある。
その数多くの一冊が、それぞれかけがえのない一冊だ。
そして、「阿川佐和子×福岡伸一 新訳で得た至福の時間」は、続きを期待したくなる。

目次
インタビュー
 角野栄子 アナザーワールドへのいざない
 トーべ・ヤンソン「仕事と愛」をモットーに ボエル・ウェスティン
 ムーミン谷の「孤独」と「連帯」 シルケ・ハポネン
 児童文学は「内なる子供」との対話 ウルフ・スタルク
 村岡花子──少女たちに寄り添い続けた人 村岡美枝・恵理
エッセイ
 二つの円 村山雄一
 児童文学の中の気になる大人たち 加藤ジャンプ
評論 
 テレビアニメが教えてくれた世界の名作 藤津亮太
私を育ててくれた一冊
 上橋菜穂子 『運命の騎士』
 柴門ふみ 『飛ぶ教室』
 富安陽子 『メアリー・ポピンズ』
 木原武一 『鏡の国のアリス』
 梯久美子 『雪の女王』
 河原理子 『長くつ下のピッピ』
 山極寿一 『さんご島の三少年』
 サンキュータツオ『モモ』
往復書簡
 阿川佐和子×福岡伸一 新訳で得た至福の時間
小特集
 石井桃子を読む
 略年譜・アルバム
インタビュー
 松岡享子 東京子ども図書館の40年
 谷川俊太郎 子ども、ことば、本
石井桃子のこの一冊
 松浦寿輝『たのしい川べ』
 川本三郎 『ノンちゃん雲に乗る』
 水村美苗『幻の朱い実』

新潮社

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2014年4月 5日 (土)

ドリトル先生航海記

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本書は、新潮社が「新潮モダン・クラシックス」として、阿川佐和子訳の「ウィニー・ザ・プー」とともに2014年3月に刊行された。
訳者は生物学者の福岡伸一氏。
なぜ福岡氏の訳なのかと思ったら、「考える人」2010年秋号(新潮社)の特集が「福岡伸一と歩くドリトル先生のイギリス」であり、その中に「ドリトル先生との出逢い 福岡伸一新訳 『ドリトル先生航海記』抄」があった。
ここでは、雨の中、トミー・スタビンズ少年がドリトル先生と出会う(ぶつかる)画面が訳されていた。

福岡氏は、本書に「do little and think a lot 訳者あとがきにかえて」を記している。
「do little」は「Dolittle」言うまでもなくドリトル先生のことであり、「think a lot」は「Jong Thinkalot」、クモサル島のポプシペテル族につけられたドリトル先生の王名であるが、このあとがきで福岡氏は、生物学者としての思いを込めているのだろう。

井伏訳とのことも、福岡氏自ら書いている。
固有名詞の訳では、日本語に翻訳せずに原文の日本語読みの場合、たとえば井伏訳「ベロス大佐」の原語は「Colonel Bellowes」で、福岡訳では「ベローズ大佐」となっているように、より原文の響きに近づけてある。
登場人物中では、ダブダブやポリネシアは、女性的な話し言葉を使っている。
また、岩波版には収録されなかった挿絵も、本書には挿入されている。
そうした意味では、今回の福岡訳は、井伏訳に対置される訳、改訳といった位置づけではなく、60年前の井伏訳を2014年化したもの、井伏訳で省略されていたり表現の工夫がされたところを原文に近く完訳したものと言えるかもしれない。

例として、「PROLOGUE」(井伏訳は「はじめのことば」、福岡訳は「プロローグ」)と「THE COBBLER’S SON」(井伏訳は「靴屋(くつや)の子ども」、福岡訳は「靴職人の息子」)の出だしの文章をあげておこう。
原文:PROLOGUE
 All that I have written so far about Doctor Dolittle I heard long after it happened from those who had known him – indeed a great deal of it took place brfore I was born.
井伏訳:はじめのことば
 もうせん私(わたし)の書いた「ドリトル先生アフリカゆき」の物語(ものがたり)は、ずっと前に先生を知っていた人たちから、そのころのいろいろな出来事を、あとになって、私(わたし)がきいて書いたお話です。
福岡訳:プロローグ
 私はこれまでにもドリトル先生のなさったことを書き記してきましたが、それは実際にその出来事が起きたずっと後に、先生のことをよく知る者から聞かされた話がほとんどでした。
原文:THE COBBLER’S SON
 My name is Tommy Stubbins, son of Jacob Stubbins, the cobbler of Puddleby-on-the-Marsh; and I was nine and a half years old.  At that time Puddleby was only quite a small town.
井伏訳:靴屋(くつや)の子ども
 私(わたし)の名まえは、トミー・スタビンズといいます。「沼のほとりのパドルビー」という町の靴屋(くつや)、ジェーコブ・スタビンズの子どもでありました。私(わたし)が九歳(さい)か十歳(さい)能古呂のことでしたが、その頃、パドルビーは、ものしずかな小さな町でした。
福岡訳:靴職人の息子
 私の名前はトミー・スタビンズ。水辺の町パドルビーの靴職人ジェイコブ・スタビンズの息子で、その頃の歳は九歳と半年でした。当時のパドルビーはほんとうに小さな町でした。

なお、英語は、1967年版Puffin Books(Jonathan Cape 1923がベースのようだ)、井伏訳は岩波少年文庫1985年10月8日発行第11刷による。
井伏訳の(◯◯)はルビを表す。

今後、時間があれば、原文、井伏訳、福岡訳の対比をしてみたい。

福岡ハカセのブログ

「新潮モダン・クラシックス」は、このあと、角田光代+芳川泰久訳で「失われた時を求めて」、椎名誠訳で「十五少年漂流記」がラインアップされているそうな。

ヒュー・ロフティング/著
福岡伸一/訳
新潮社(新潮モダン・クラシックス)

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2012年3月 3日 (土)

南條竹則氏講演会“ドリトル先生と私の幼い頃“

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教文館のウェンライトホールに行ってきた。

講演会の内容は、タイトルどおり南條氏の幼いころの話とドリトル先生との関係が中心だが、ガブガブの話、食べ物の話など、あちこち飛んで、面白かった。
「月」で、ロフティングはドリトル先生をおしまいにしたかったことを、ドイルがホームズを滝から落っことしたことになぞらえたことだとか、イギリスの作家なのかアメリカの作家なのか、イギリスではアメリカ作家と思われ、アメリカではイギリス作家だととらえられることは、なるほどねと思わされた。
そのことが、挿絵の画風の変化と関連があるのかどうか質問のときに聞いてみたのだが、直接影響したのかどうかは、わからない。
南條氏じしんは、「月」の挿絵のタッチがお好きなのだそうだ。

講演終了後、購入した本にサインをもらいに行ったとき、「どこかでお会いしましたっけ」と声をかけていただき、じつは、こちらも、このお顔はどこかで会っているかもと思っていただけに、ちょっとびっくり。
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しかし、どこでだかは、思い出せない。
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出身大学は違うので、すれ違うことはないはず。
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もしかしたら、こうしたイベントだったのかもしれない。
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さて、ロフティングの著作で、次のものがドリトル先生以外のものである。
邦訳名を書いていないものは、未邦訳のはず。
The Story of Mrs Tubbs:タブスおばあさんと三匹のおはなし
Porridge Poetry
Noisy Nora
The Twilight of Magic:ささやき貝の秘密
Gub-Gub's Book, An Encyclopaedia of Food:ガブガブの本
Tommy, Tilly, and Mrs. Tubbs:トミーとティリーとタブスおばあさん
Victory for the Slain

南條氏は、ドリトル先生をあらたに訳す気持ちはないようなので、未邦訳を何とかしてほしいとひそかに思ったりする。
あらたに訳さないのは、たとえば、ドリトル先生の家に住んでいた馬は「びっこの馬」(ame horse)である
イギリスでは(だけではないか)、馬が足を痛めると、安楽死である。
その意味では「びっこ」である馬がドリトル先生とともに暮らしていること、これを他の表現に置き換えることができるのかどうか、ということもあるようだ。

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2011年10月25日 (火)

(2) 南條竹則著「ドリトル先生の世界」について/2 目次の違いについて

4 ドリトル先生関係書籍

(2) 南條竹則著「ドリトル先生の世界」について

2 目次の違いについて

「ドリトル先生の世界」と「ドリトル先生の英国」の目次タイトルの違い。
☆は、「ドリトル先生の世界」で新たに加わったもの。
★は、「ドリトル先生の英国」から削除されたもの。

ドリトル先生の世界 ドリトル先生の英国  
はじめに はじめに  
名前について★ →ドリトルという名前について
第一章 博物学者 発端―物語の生い立ち 第一章 博物学者 発端―物語の生い立ち  
沼のほとりのパドルビー★ →パドルビーへの道
ドリトル先生の家 ドリトル先生の家  
ドリトル先生の庭 先生の庭  
博物学者 博物学者  
ドリトル先生と進化論 ドリトル先生と進化論  
もう一人の博物学者 もう一人の博物学者  
付録Ⅰ パドルビーへの道☆ ←沼のほとりのパドルビー
第二章 興行の世界 ドリトル先生の金銭感覚 第二章 興業の世界 ドリトル先生の金銭感覚  
珍獣オシツオサレツ 珍獣オシツオサレツ  
「ブロッサム・サーカス」 「ブロッサム・サーカス」  
パドルビーのだんまり芝居 パドルビーのだんまり芝居  
「パンチとジュディー」の犬 「パンチとジュディー」の犬  
にせ医者《ブラウン医学博士》 にせ医者《ブラウン医学博士》  
「カナリア・オペラ」 「カナリア・オペラ」  
ドリトル先生とパガニーニ ドリトル先生とパガニーニ  
画家モーランド 画家モーランド  
付録Ⅱ ウォルター・ロスチャイルドとドリトル先生☆  
第三章 ドリトル家の食卓 楽しい台所 第三章 ドリトル家の食卓 楽しい台所  
「古英国卓上暦」 「古英国卓上暦」  
先生の好物 先生の好物  
美食家ガブガブ 美食家ガブガブ  
オランダボウフウの謎 オランダボウフウの謎  
ドリトルという名前について☆ ←名前について
『ガブガブの本』 『ガブガブの書』  
町の名物 町の名物  
メルトン・モープレイのパイ☆  
バンベリのケーキ☆  
アブラミのお菓子 アブラミのお菓子  
菜食と肉食について 菜食と肉食について  
付録Ⅲ アヒルとブタ☆  
第四章 ドリトル先生と女性 独身者 第四章 ドリトル先生と女性 独身者  
先生の家族構成 先生の家族構成  
ドリトル先生は女嫌い? ドリトル先生は女嫌い?  
ヴィクトリア朝と女性 ヴィクトリア朝と女性  
"新しい女"ピピネラ "新しい女"ピピネラ  
白ネズミの恋人 白ネズミの恋人  
オットセイとの駆け落ち オットセイとの駆け落ち  
付録Ⅳ 茂田井武の幻灯絵について☆  
第五章 ドリトル先生と階級社会 スタビンズ家の夕べ 第五章 ドリトル先生と階級社会 靴屋主人との合奏  
猫肉屋 猫肉屋  
世捨て人のルカ 世捨て人のルカ  
貝ほりのジョー 貝ほりのジョー  
治安判事ウィリアム・ピーボディ卿 治安判事ウィリアム・ピーボディ卿  
動物にも階級あり 動物にも階級あり  
スズメのべらんめえ スズメのべらんめえ  
イースト・エンドのドリトル先生 イースト・エンドのドリトル先生  
「無料骨店」その他 「無料骨店」その他  
「ネズミ・クラブ」 「ネズミ・クラブ」  
付録Ⅴ ロフティングのその他の作品☆  
第六章 世界の友 ジョリキンキの王子 第六章 世界の友 ジョリキンキの王子  
ドリトル先生と差別問題☆  
ドリトル先生のライヴァル ドリトル先生のライヴァル  
ファンティポのココ王 ファンティポのココ王  
神秘の国・日本 神秘の国・日本  
植民地主義 植民地主義  
月の巨人 月の巨人  
付録Ⅵ 『ドリトル先生物語』中のアメリカ☆  
第七章 ドリトル先生と聖書の世界 秘密の湖 第七章 ドリトル先生と聖書の世界 秘密の湖  
ノアの方舟 ノアの方舟  
アジアからきた外国人 アジアからきた外国人  
フランチェスコ聖者との似より  
あまねき愛 あまねき愛  
おわりに―『ドリトル先生』の訳者 あとがき―ドリトル先生の訳者―  
『ドリトル先生物語』登場人物・動植物小事典☆  
あとがき☆  
参考文献 参考文献  
図版一覧★  

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(2) 南條竹則著「ドリトル先生の世界」について/1 「ドリトル先生の世界」をめぐるいくつかの疑問点などについて

4 ドリトル先生関係書籍

(2) 南條竹則著「ドリトル先生の世界」について

 南條竹則氏の本書は、「ドリトル先生と英国」(文春新書・2000年10月20日・ISBN:9784166601301)を増補したものである。
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 以下の目次でもわかるように、いろいろな角度からドリトル先生、動物たち、その頃の英国社会(ロフティングが執筆した時代も含めて)について論考している。
 ふむふむ、なるほどと思うようなこともあるが、疑問に思うこともいくつかある。
 19世紀のイギリス社会の様子は、「講座『マイ・フェア・レディ』―オードリーと学ぼう、英語と英国社会」(英潮社・2005年3月・ISBN:978-4268003980) も、とても参考になる。

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1 「ドリトル先生の世界」をめぐるいくつかの疑問点などについて

1-1 パドルビーはシュロップシャーにある?

 「郵便局」で、ドリトル先生がファンテイポ王国からマシュー・マグに出した手紙の宛名には、「イギリス、スロップ州、沼のほとりのパドルビー町、ネコ肉商、マシュー・マグ殿」(Matthew Mugg, Esquire, Cats' Meat merchant, Puddleby-on-the-Marsh, Slopshire, England)と書かれたことからわかるように、パドルビーはスロップ州(Slopshire)にあるとされている。
 P33では「パドルビーがシュロップシャーにあるということは、『郵便局』の第二部第一節に書いてある。」としているが、「シュロップシャー」は「Shropshire」であり、スロップ州の「Slopshire」とは綴りが異なっているとともに、「Shrop」と「Slop」とでは聞こえ方も異なるだろう。
 したがって、「パドルビーがシュロップシャーにある」と断定してしまうのは、いかがなものか。
 なお、井伏訳では「Shire」は「州」となっているが、現在におけるイングランドの「カウンティ(county)」のことである。アメリカ合衆国の「州」が持っているような権限はないので、イメージ的には「県」に近い。

1-2 ミシンを演奏しているのはスタビンズ君?

 P60の挿絵(カナリア・オペラのオーケストラを指揮するドリトル先生)の解説で、「先生の足元でミシンを演奏しているのはスタビンズ君だろうか。」とのキャプションがある。
 P63に、『「カナリア・オペラ」の上演は(中略)三十四年、あるいはギリギリ三三年』との記述がある。
 一方、P32で『ドリトル先生がスタビンズ君と出会って航海に出た年は一八三九年-これははっきりと年代が記されているから、動かせない。』」となっている。
 航海に出たときのトミー・スタビンズの年齢は10(「航海記」に「でも、年はまだ十なんだよ。」との記述がある。)であるから、「カナリア・オペラ」上演時の1833年か1834年では、トミーは4~5歳でなければならない。
 したがって、P60の挿絵で描かれている姿は幼年・少年ではなく、「先生の足元でミシンを演奏しているのは、スタビンズ君」とは考えられない。
 風貌から、むしろ、マシュー・マグではないかと思う。

1-3 先生が航海に出たのは一八三九年?

 P32で『ドリトル先生がスタビンズ君と出会って航海に出た年は一八三九年-これははっきりと年代が記されているから、動かせない。』」となっている。
 先生がスタビンズ家で演奏したのが1839年であることは、「とびらの上の壁にはめこまれた石に書かれている」ので確実である。
 しかし、その後トミーがポリネシアから動物語を習い、8月のおわりにアフリカからチーチーが戻り、トミーが先生の助手になる経過をたどること、また、ロング・アローが先生を訪ねてくるのが「クモサル島に来て7ヵ月めの3月」なのでクモサル島に着いたのは8月、クモサル島に着いて「6週間ぶりに土をふむ」とあることから出発は6月か7月であり、先生が航海に出た年は1839年ではなく、1840年になってからであると推定する。

1-4 子豚、鸚鵡、梟、猿?

 P111で先生の家に住む動物を紹介するとき、なぜか、子豚、鸚鵡、梟、猿と、漢字を使っている。
 巻末の「『ドリトル先生物語』登場人物・動植物小事典」の注で、「生物名や固有名詞の日本語表記は、この本の本文と同様、原則として井伏鱒二訳によった。」と書かれている。
 P111の表記は「原則」ではないのか。
このことは、巻末の「『ドリトル先生物語』登場人物・動植物小事典」においても同様である。
たとえば、「白ネズミ」は『「ホワイティ」を見よ』と記述され、「ホワイティ」の項で説明されている。
ロフティングは固有名詞をつけず、「white mouse」と表記しており、「白ネズミ」は「白ネズミ」であって、ホワイティではない。

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(1) 書籍一覧

4 ドリトル先生関係書籍

(1) 書籍一覧

The Story of Doctor Dolittle(1920)
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画像は、Puffin Books/岩波少年文庫(箱)/岩波少年文庫/岩波少年文庫改版
タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
ドリトル先生アフリカ行 井伏鱒二 フタバ書院 1941
ドリトル先生「アフリカ行き」 井伏鱒二 白林少年館出版部 1941
1939年の「The Story of Doctor Dolittle」と1941年の白林少年館出版部の「アフリカ行き」が、神奈川近代文学館で開催された「没後10年 石井桃子展 ―本を読むよろこび―」に展示されていました。
https://www.kanabun.or.jp/exhibition/7991/
ドリトル先生アフリカ行き 井伏鱒二 光文社 1946
ドリトル先生アフリカ行き 井伏鱒二 岩波書店 1951 岩波少年文庫
ドリトル先生アフリカ行き 井伏鱒二 岩波書店 1961 1
ドリトル先生アフリカへいく 飯島淳秀 講談社 1967 世界の名作図書館8
ドリトル先生アフリカへ行く 亀山龍樹 暁教育図書 1978.2 少年少女世界の文学5
ドリトル先生アフリカ行き 井伏鱒二 岩波書店 1978.7 岩波少年文庫
ドリトル先生アフリカへいく 飯島淳秀 講談社 1981.4 講談社文庫
ドリトル先生アフリカへ 小沢正 チャイルド本社 1991.7 スーパーワイド絵本4
ドリトル先生アフリカ行き 井伏鱒二 岩波書店 1994.9 岩波少年文庫12
ドリトル先生「アフリカ行き」 井伏鱒二 筑摩書房 1999.2 井伏鱒二全集第28巻
ドリトル先生アフリカ行き 井伏鱒二 岩波書店 2000.6 岩波少年文庫
ドリトル先生アフリカゆき 齋藤孝 文藝春秋 2004.4 理想の国語教科書
ドリトル先生アフリカへいく 南條竹則 集英社 2008.10  
ドリトル先生 小林みき ポプラ社 2009.9 ポプラポケット文庫
新訳 ドリトル先生アフリカへ行く 河合祥一郎 KADOKAWA 2011.5 角川つばさ文庫

The Making of Doctor Dolittle

画像 P. 内容
Md1 1 表紙「ドリトル先生のできるまで」
Md2_2 2 アトランティック・マンスリーなどの褒め言葉が並んでいます。
Md3 3 読者(子どもたち)から寄せられた手紙の一部
Md4 4 ヒュー・ロフティング伝
Md5 5 ヒューの先祖がオランダから追い出されたり、ヒューが奥さんに頭が上がらなかったり、ヒューのエピソードでしょうか。
Md6 6 航海記の紹介
Md7 7 オシツオサレツのことですね。
Md8 8 さまざまな賛辞

The Voyages of Doctor Dolittle(1922)
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画像は、Puffin Books/岩波少年文庫(箱)/岩波少年文庫/岩波少年文庫改版
タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
ドリトル先生航海記 井伏鱒二 講談社 1952 世界名作全集24
ドリトル先生航海記 筒井敬介 講談社 1956 講談社の絵本164
ドリトル先生航海記 井伏鱒二 岩波書店 1960 岩波少年文庫194
ドリトル先生航海記 井伏鱒二 岩波書店 1961 ドリトル先生物語全集2
ドリトル先生航海記 筒井敬介 講談社 1962 少年少女世界文学全集16(アメリカ編6)
ドリトル先生航海記 虎岩正純 偕成社 1967 少年少女世界名作選12
ドリトル先生航海記 古友雅男 講談社 1967 世界名作全集38
ドリトル先生航海記 飯沢匡 河出書房 1967 少年少女世界の文学13
ドリトル先生航海記 前田三恵子 偕成社 1968 世界の幼年文学 カラー版21
ドリトル先生航海記 森いたる 小学館 1968 少年少女世界の名作文学18(アメリカ編 9)
ドリトル先生航海記 大石真 文研出版 1970 文研児童読書館
ドリトル先生航海記 森いたる 小学館 1971.9 少年少女世界の名作12(アメリカ編2)
ドリトル先生航海記 谷真介編 偕成社 1973 児童名作シリーズ45
ドリトル先生航海記 伊達常雄 集英社 1973 母と子の名作童話33
ドリトル先生航海記 前田三恵子 学習研究社 1975 学研小学生文庫
ドリトル先生航海記 井伏鱒二 岩波書店 1978.9 岩波少年文庫
ドリトル先生航海記 井伏鱒二 講談社 1979.1 講談社文庫
ドリトル先生航海記 虎岩正純 偕成社 1982.1 少年少女世界の名作15
ドゥリトル先生海をゆく   ラボ教育センター 1983 英文
ドリトル先生航海記 吉田新一 ぎょうせい 1983.4 少年少女世界名作全集21
ドリトル先生航海記 改訂版 前田三恵子 偕成社 1986.3 世界の幼年文学 カラー版21
ドリトル先生こう海記 高橋健二・金田一春彦 監修 小学館 1986.9 世界こども名作全集学習版11
ドリトル先生こうかいき 小沢正 チャイルド本社 1992.8 スーパーワイド絵本―チャイルド世界名作館
ドリトル先生航海記 井伏鱒二 岩波書店 1994.1 岩波世界児童文学集3
ドリトル先生航海記 改版 井伏鱒二 岩波書店 1995.1 岩波少年文庫
ドリトル先生航海記 吉田新一 ぎょうせい 1995.2 新装少年少女世界名作全集
ドリトル先生航海記 新版 井伏鱒二 岩波書店 2000.6 岩波少年文庫
ドリトル先生航海記 井伏鱒二 岩波書店 2003.5 岩波世界児童文学集
新訳 ドリトル先生航海記 河合祥一郎 KADOKAWA 2011.7 角川つばさ文庫
ドリトル先生航海記
140402104
福岡伸一 新潮社 2014.3 新潮モダンクラシックス
ドリトル先生航海記 学生社

Doctor Dolittle's Post Office(1923)
150117_de_003 150117_d_003
画像は、Puffin Books/岩波少年文庫改版
タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
ドリトル先生の郵便局 井伏鱒二 岩波書店 1952 岩波少年文庫35
ドリトル先生の郵便局 井伏鱒二 岩波書店 1962 ドリトル先生物語全集3
ドリトル先生の郵便局 井伏鱒二 岩波書店 1978.1 岩波少年文庫
ドリトル先生の郵便局 改版 井伏鱒二 岩波書店 1995.2 岩波少年文庫35
ドリトル先生の郵便局 新版 井伏鱒二 岩波書店 2000.6 岩波少年文庫
新訳 ドリトル先生の郵便局 河合祥一郎 KADOKAWA 2011.10 角川つばさ文庫

Doctor Dolittle's Circus(1924)
150117_de_004 150117_d_004
画像は、Puffin Books/岩波少年文庫改版
タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
ドリトル先生のサーカス 井伏鱒二 岩波書店 1962 ドリトル先生物語全集4
ドリトル先生のサーカス 井伏鱒二 岩波書店 1978.11 岩波少年文庫
ドリトル先生のサーカス 改版 井伏鱒二 岩波書店 1994.11 岩波少年文庫4
ドリトル先生のサーカス 新版 井伏鱒二 岩波書店 2000.6 岩波少年文庫4/td>
新訳 ドリトル先生のサーカス 河合祥一郎 KADOKAWA 2012.3 角川つばさ文庫

Doctor Dolittle's Zoo(1925)
150117_de_005 150117_d_005
画像は、Puffin Books/岩波少年文庫改版
タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
ドリトル先生の動物園 井伏鱒二 岩波書店 1962 ドリトル先生物語全集5
ドリトル先生の動物園 新庄哲夫 偕成社 1968 少年少女世界名作選18
ドリトル先生の動物園 井伏鱒二 岩波書店 1979.2 岩波少年文庫
ドリトル先生の動物園 井伏鱒二 岩波書店 1994.1 岩波少年文庫5
ドリトル先生の動物園 新版 井伏鱒二 岩波書店 2000.6 岩波少年文庫
新訳 ドリトル先生の動物園 河合祥一郎 KADOKAWA 2012.7 角川つばさ文庫

Doctor Dolittle's Caravan(1926)
150117_de_006 150117_d_006
画像は、Puffin Books/岩波少年文庫改版
タイトル 訳・文岩波少年文庫改版 発行所 発行 シリーズ名等
ドリトル先生のキャラバン 井伏鱒二 岩波書店 1953 岩波少年文庫60
ドリトル先生のキャラバン 井伏鱒二 岩波書店 1962 ドリトル先生物語全集6
ドリトル先生のキャラバン 改版 井伏鱒二 岩波書店 1979.7 岩波少年文庫
ドリトル先生のキャラバン 改版 井伏鱒二 岩波書店 1994.11 岩波少年文庫60
ドリトル先生のキャラバン 新版 井伏鱒二 岩波書店 2000.6 岩波少年文庫
新訳 ドリトル先生のキャラバン 河合祥一郎 KADOKAWA 2012.11 角川つばさ文庫

Doctor Dolittle's Garden(1927)
150117_de_007 150117_d_007
画像は、Puffin Books/岩波少年文庫改版
タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
ドリトル先生と月からの使い 井伏鱒二 岩波書店 1962 ドリトル先生物語全集7
ドリトル先生と月からの使い 井伏鱒二 岩波書店 1979.9 岩波少年文庫
ドリトル先生と月からの使い 井伏鱒二 岩波書店 1994.9 岩波少年文庫7
ドリトル先生と月からの使い 新版 井伏鱒二 岩波書店 2000.1 岩波少年文庫
新訳 ドリトル先生と月からの使い 河合祥一郎 KADOKAWA 2013.3 角川つばさ文庫

Doctor Dolittle in the Moon(1928)
150117_de_008 150117_d_008
画像は、Puffin Books/岩波少年文庫改版
タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
ドリトル先生月へゆく 井伏鱒二 岩波書店 1962 ドリトル先生物語全集8
ドリトル先生月へゆく 改版 井伏鱒二 岩波書店 1979.9 岩波少年文庫
ドリトル先生月へゆく 改版 井伏鱒二 岩波書店 1995.1 岩波少年文庫8
ドリトル先生月へゆく 新版 井伏鱒二 岩波書店 2000.1 岩波少年文庫
新訳 ドリトル先生の月旅行 河合祥一郎 KADOKAWA 2013.6 角川つばさ文庫

Doctor Dolittle's Return(1933)

150117_de_009 150117_d_009
画像は、Puffin Books/岩波少年文庫改版
タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
ドリトル先生月から帰る 井伏鱒二 岩波書店 1962 ドリトル先生物語全集9
ドリトル先生月から帰る 井伏鱒二 岩波書店 1979.9 岩波少年文庫
ドリトル先生月から帰る 改版 井伏鱒二 岩波書店 1994.12 岩波少年文庫
ドリトル先生月から帰る 新版 井伏鱒二 岩波書店 2000.11 岩波少年文庫
新訳 ドリトル先生月から帰る 河合祥一郎 KADOKAWA 2013.12 角川つばさ文庫

Doctor Dolittle and the Secret Lake(1948)
150117_de_010 150117_d_010 150117_d_011
画像は、Puffin Books/岩波少年文庫改版
タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
ドリトル先生と秘密の湖 井伏鱒二 岩波書店 1961 ドリトル先生物語全集10
ドリトル先生と秘密の湖 井伏鱒二 岩波書店 1979.1 岩波少年文庫
ドリトル先生と秘密の湖 上 井伏鱒二 岩波書店 1994.9 岩波少年文庫10
ドリトル先生と秘密の湖 下 井伏鱒二 岩波書店 1994.9 岩波少年文庫11
ドリトル先生と秘密の湖 上 新版 井伏鱒二 岩波書店 2000.11 岩波少年文庫
ドリトル先生と秘密の湖 下 新版 井伏鱒二 岩波書店 2000.11 岩波少年文庫
新訳 ドリトル先生と秘密の湖 上 河合祥一郎 KADOKAWA 2014.7 角川つばさ文庫
新訳 ドリトル先生と秘密の湖 下 河合祥一郎 KADOKAWA 2014.8 角川つばさ文庫

Doctor Dolittle and the Green Canary(1950)
150117_de_011 150117_d_012
画像は、Puffin Books/岩波少年文庫改版
タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
ドリトル先生と緑のカナリア 井伏鱒二 岩波書店 1961 ドリトル先生物語全集11
ドリトル先生と緑のカナリア 井伏鱒二 岩波書店 1979.1 岩波少年文庫
ドリトル先生と緑のカナリア 井伏鱒二 岩波書店 1994.10 岩波少年文庫12
ドリトル先生と緑のカナリア 新版 井伏鱒二 岩波書店 2000.11 岩波少年文庫

Doctor Dolittle's Puddleby Adventures(1952)
150117_de_012 150117_d_013
画像は、Puffin Books/岩波少年文庫改版
タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
ドリトル先生の楽しい家 井伏鱒二 岩波書店 1962 ドリトル先生物語全集12
ドリトル先生の楽しい家 井伏鱒二 岩波書店 1979.10 岩波少年文庫
ドリトル先生の楽しい家 井伏鱒二 岩波書店 1995.1 岩波少年文庫13
ドリトル先生の楽しい家 新版 井伏鱒二 岩波書店 2000.11 岩波少年文庫

タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
「ドリトル先生ものがたり」全1 岩波書店
ドリトル先生とかいぞく 日本パブリッシング 1969 ビギナーブックシリーズ
ドリトル先生物語 筒井敬介 講談社 1962 少年少女新世界文学全集12(アメリカ現代編 1)
ドリトル先生物語 久保喬 講談社 1965 世界の名作20
ドリトル先生物語 神鳥統夫 ポプラ社 1989.3 こども世界名作童話38
ドリトル先生ものがたり 河野一郎 講談社 1991.8 講談社のおはなし童話館(オズのまほうつかい)
ドリトル先生物語全集だより 岩波書店

The Story of Mrs Tubbs(1923)

タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
もりのおばあさん 光吉夏弥 岩波書店 1954.9 岩波のこどもの本
タブスおばあさんと三匹のおはなし
Books172
南條竹則 集英社 2010.10/

Porridge Poetry(1924、2005復刊)

Noisy Nora(1929)

The Twilight of Magic(1930)

タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
ささやき貝の秘密
Dscn0482
山下明生 岩波書店 1996.6 岩波少年文庫

Gub-Gub's Book(1932)

タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
たべものどろぼうと名探偵 光吉夏弥 光文社 1957 世界新名作童話
ガブガブの本/ドリトル先生番外篇
Books171
南條竹則 国書刊行会 2002.11

An Encyclopaedia of Food(1932)

Doctor Dolittle's Birthday Book(1936)
Books001

Tommy, Tilly, and Mrs. Tubbs(1936)

タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
トミーとティリーとタブスおばあさん
Books173
南條竹則< 集英社 2012.2

Victory for the Slain(1942)

タイトル 訳・文 発行所 発行 シリーズ名等
生命のよろこび-ドリトル先生にまなぶ-
Books170
高田 宏 新潮社 1996.7 新潮選書
ドリトル先生の英国
Books062
南條竹則 文芸春秋 2000.1 文春新書
福岡伸一と歩くドリトル先生のイギリス
Books153
新潮社 2010.10 考える人
2010年秋号
ドリトル先生の世界
Books064
南條竹則 国書刊行会 2011.9

タイトル 訳・文 発行所 発行
Three Bodley Head Monographs
- Hugh Lofting, Geoffrey Trease and J.M.Barrie (B.H.Monograph)
エドワード・ブリッシェン
Edward Blishen
1920年4月29日~1996年12月13日
ボドリー・ヘッド(イギリス) 1968
ロフティングのほか、ジェフリー・トリーズ(Geoffrey Trease、190年~1998年)、ジェームズ・マシュー・バリー(James Matthew Barrie、1860年~1937年、代表作は「ピーター・パン」)の評伝となっている。
内容にいくつか事実誤認があるようだ。
エドワード・ブリッシェンの作品で邦訳されているものは「とげのあるパラダイス―現代英米児童文学作家の発言」(偕成社、1982年)
Hugh Lofting
(Twayne's English Authors Series)
140314_001
ゲイリー・シュミット
Gary D. Schmidt
1957年~
トウェイン・パブリッシャーズ(アメリカ) 1992
本書も、内容にいくつか事実誤認があるようだ。

2014.11.8 改訂
2015.1.17 改訂
2015.4.12改訂(Puffin Book版と岩波少年文庫改版の画像を掲載)
2016.4.24改訂(岩波少年文庫の画像を掲載)
2016.11.11改訂(「Porridge Poetry」の復刊情報追加)
2018.9.16改訂(白林少年館出版部『ドリトル先生「アフリカ行き」』の情報追加)

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1886年~(3 ドリトル先生関連年表)

3 ドリトル先生関連年表

1886年~
年号 先生の年齢 トミーの年齢 ヒュー・ロフティングの年齢
できごと 時期を特定する記述など 出典
1886年 56 0
1月14日、ロンドン近郊の、ウィンブルドンに近いバークシャー州メイドンヘッド(Maidenhead, Berkshire county)で、ジョン・ブライエン・ロフティング(John Brien Lofting)を父に、エリザベス・アグネス・ロフティング(Elisabeth Agnes (Gannon) Lofting)を母に、ヒュー・ジョン・ロフティング(Hugh John Lofting)が生まれる。
1894年 64 8
ヒュー・ロフティング、ダービーシャー(Derbyshire)にあるイエズス会の寄宿学校「Mount St Mary's College」に入る。
1900年 70 14
ポリネシア250歳くらいのとき、トミー、航海記を書く。 1650年がポリネシアの生まれた年だとすると、250年後は1900年となる。 航海記
1901年 71 15
1月22日、イギリス女王ヴィクトリア女王死去、イギリス王エドワード7世即位。
トミー、動物園を書く。 航海記を書いた後に書いたことから1901年とした。 動物園
1904年 73 18
ヒュー・ロフティング、アメリカに行き、マサチューセッツ工科大学に入学する。
1905年 74 19
ヒュー・ロフティング、マサチューセッツ工科大学を卒業する。
1906年 76 20
ヒュー・ロフティング、イギリスに帰り、ロンドン工科大学に入学する。
1907年 77 21
ヒュー・ロフティング、ロンドン工科大学を卒業し、カナダで働く。
1908年 78 22
ヒュー・ロフティング、西アフリカのラゴス鉄道とキューバのハバナ鉄道で働く。
1910年 80 24
5月6日、イギリス王エドワード7世死去、ジョージ5世即位。
1912年 82 26
ヒュー・ロフティング、ニューヨークに住み執筆開始、フローラ・スモール(Flora Small)と結婚。
1913年 83 27
ヒュー・ロフティングとフローラに、娘エリザベス・メアリー(Elizabeth Mary)が誕生。
1914年 84 28
ヒュー・ロフティング、ニューヨークの英国情報省で働く。
6月28日、サラエボ事件、オーストリア・ハンガリー二重帝国の皇位継承者フランツ・フェルディナント夫妻暗殺。
7月28日、オーストリアがセルビアに宣戦布告、第一次世界大戦勃発。
1915年 85 29
ヒュー・ロフティングとフローラに息子コリン・マクマホン(Colin MacMahon)が誕生。
ヒュー・ロフティング、イギリス軍に従軍して近衛歩兵連隊(Irish Guards)の大尉となる。
1917年 87 31
ヒュー・ロフティング、フランス戦線のフランダースに出征。
1918年 88 32
ヒュー・ロフティング、負傷して送還。
1919年 89 33
ロフティング一家、アメリカにわたり、コネチカットに住む。
6月28日、ヴェルサイユ条約調印、第一次世界大戦終結。
1920年 90 34
アフリカゆき(The Story of Doctor Dolittle)刊行。
1922年 92 36
航海記(The Voyages of Doctor Dolittle)刊行。
パンフレット「The Making of Doctor Dolittle」発行。
1923年 93 37
航海記、ニューベリー賞受賞
郵便局(Doctor Dolittle's Post Office)刊行。
もりのおばあさん(The Story of Mrs Tubbs)刊行。
1924年 94 38
サーカス(Doctor Dolittle's Circus)刊行。
Porridge Poetry刊行。
1925年 95 39
動物園(Doctor Dolittle's Zoo)刊行。
1926年 96 40
キャラバン(Doctor Dolittle's Caravan)刊行。
1927年 97 41
ヒュー・ロフティングの妻フローラ・ロフティング、死去。
月からの使い(Doctor Dolittle's Garden)刊行。
1928年 98 42
ヒュー・ロフティング、キャサリン・ハロワー・ピーターズ(Katherine Harrower Peters)と再婚するが、キャサリンは大流行した流感のため死去。
月へ行く(Doctor Dolittle in the Moon)刊行。
1929年 99 43
Noisy Nora刊行。
1930年 44
ささやき貝の秘密(The Twilight of Magic)刊行。
1932年 46
ガブガブの本(Gub-Gub's Book,An Encyclopaedia of Food)刊行。
1933年 47
月から帰る(Doctor Dolittle's Return)刊行。
1935年 49
ヒュー・ロフティング、ジョセフィン・フリッカー(Josephine Fricker)と再婚し、一家はカリフォルニアに引っ越す。
1936年 50
1月20日、イギリス王ジョージ5世死去、エドワード8世即位。
ヒュー・ロフティングとジョセフィンの息子クリストファー・クレメント(Christopher Clement)が誕生。
Doctor Dolittle's Birthday Book刊行。
Tommy, Tilly, and Mrs. Tubbs刊行。
12月11日、イギリス王エドワード8世退位、ジョージ6世即位。
1941年 55
太平洋戦争開戦。
1942年 56
Victory for the Slain刊行。
1947年 57
9月26日、ヒュー・ロフティング、カリフォルニア州サンタ・モニカで亡くなり、コネチカットのエバーグリーン墓地に埋葬される。
1948年
秘密の湖(Doctor Dolittle and the Secret Lake)刊行。
1951年
緑のカナリア(Doctor Dolittle and the Green Canary)、ジョセフィンの妹オルガ・マイクル(Olga Michael)によって完成される。
1952年
2月6日、イギリス王ジョージ6世死去、エリザベス2世即位。
楽しい家(Doctor Dolittle's Puddleby Adventures)、ジョセフィンとジョセフィンの妹オルガ・マイクルによって完成される。
1966年
ジョセフィン死去。
1967年
「ドリトル先生不思議な旅」(レックス・ハリソン主演、リチャード・フライシャー監督)公開。
1998年
「ドクター・ドリトル」(エディ・マーフィー主演、ベティ・トーマス監督)公開。
2001年
「ドクター・ドリトル2」(エディ・マーフィー主演、スティーブ・カー監督)公開。

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1845年~1884年(3 ドリトル先生関連年表)

3 ドリトル先生関連年表

1845年~1884年
年号 先生の年齢 トミーの年齢 ヒュー・ロフティングの年齢
できごと 時期を特定する記述など 出典
1845年 55~60 15
トミー、地下書庫をつくる。 月に行ってから1年後のことであることから、1845年とした。 月から帰る:1-1
動物園は荒れ果てている。 月から帰る:1-2
夏になる。 「春から夏になって」の記述がある。 月から帰る:1-3
月食の夜、月から煙があがる。 月から帰る:1-4
ドリトル先生、月から帰る。 月から帰る:1-7
ポリネシア180歳。 1831~2年頃のアフリカゆのき時代ですでに「182歳か183歳」といっているので190歳を超えており、180歳は誤りと思われる。
夏のおわり、ドリトル先生、もとの大きさにもどる。 「夏も終わりに近づいているころ」の記述がある。 月から帰る:2-6
ドリトル先生、牢屋に入ろうとしてマチルダ・ビーミッシュ夫人の家の窓ガラスをこわす。ドリトル先生は30日間拘留の判決を受けてゴレスビー・セントクレメンツの刑務所に入るが、アナグマが助けようとして穴を掘るので刑務所が危険になり、釈放される。 月から帰る:2-10
トミー、診療所をまかされる。お祝いの会が開かれる。 月から帰る:2-15
1848年 58~63 18
2月以後、ヨーロッパで1848年革命。
マルクス「共産党宣言」。
1850年 60~65 20
1月11日、太平天国の乱。
トミー、仕事部屋がある。 秘密の湖:1-1
トミー、月の野菜で研究を続けているドリトル先生に、ドロンコに会うようドリトル先生に提案する。 月から戻ったのが1845年だとして、ドリトル先生はその後何年も研究を続けているという記述があるので、1850年とした。 秘密の湖:1-7
3月の何日、ドロンコから最後のたよりがくる。 「三月の何日かだった」との記述がある。 秘密の湖:1-11
6月、ドロンコと秘密の湖に関する帳面がなくなっていることがわかる。 ドロンコのたよりが来てから3ヶ月後との記述がある。 秘密の湖:1-9、1-11
チープサイド、ロンドンに戻る。 秘密の湖:1-11
10日後、チープサイドとベッキー、戻ってくる。 秘密の湖:1-14
土曜日、ドリトル先生、アホウドリ号でアフリカに向かう。 秘密の湖:2-2
ドリトル先生、ファンティポに到着。 秘密の湖:2-5
ドリトル先生、ジュンガニーカ湖に着く。 秘密の湖:2-13
ドリトル先生、ドロンコを助け、大洪水の話を聞く。 秘密の湖:2-16
1851年 61~66 21
ロンドンで第1回万国博覧会開催。
1853年 63~68 23
7月8日、アメリカのぺリー提督、浦賀に来航。
1854年 64~69 24
3月28日、イギリス、フランス、オスマン帝国、ロシアに宣戦布告し、クリミア戦争勃発。
1856年 65~70 26
10月8日、アロー号事件。
1857年 66~71 27
5月10日、セポイの乱発生。
1859年 69~74 29
ダーゥイン「種の起源」出版。
1860年 70~75 30
桜田門外の変。
1861年 71~76 31
3月4日、リンカーンがアメリカ合衆国大統領に就任、4月12日、南北戦争開戦。
1867年 77~82 37
オーストリア・ハンガリー二重帝国成立
11月9日、第15代将軍徳川慶喜が明治天皇に政権返上を上奏(大政奉還)。
1884年 94~99 54
1月4日、ロンドンでフェビアン協会設立。

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