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2020年11月12日 (木)

詩人の積木箱 1 アメリカについて

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折しも、大統領選挙の結果が出てきたときに、読む。
大統領選で混迷しているアメリカを見ていると、本書のアメリカは半世紀近く前のアメリカというより、はるか昔のアメリカのように思える。
にもかかわらず、やはり繋がっている。
また、都市のアメリカばかりを見ていると、見誤るのかもしれない.

本書は、1961年から1973までに著者が執筆した文章を4つの「積木箱」としてまとめたものの第一巻で、1974年に刊行された。
ということは、長田さんは20歳をわずかに過ぎた頃から30代前半にかけての頃で、それだけに文章は固く、読むものにするどく突き刺さる。

「3 アメリカの矩形の夢」でとりあげられている映画は、「明日に向かって撃て」「俺たちに明日はない」「真夜中のカウボーイ」はむろんのこと、あの頃観た「卒業」や「いちご白書」もそうだろうが、アメリカのありようを映像で表現していたと思うのだが、さいきんはアメリカ映画はとんと見ないのだが、現在のアメリカ映画はどうなのだろうか。
最後のアメリカ映画は昨年暮れの「THE UPSIDE 最強のふたり」だと思うが、これは仏映画「最強のふたり」のハリウッド版リメイクであるが、仏版のほうが、「格差」「差別」がふんだんに散りばめられていて、ちょっと間違うとトンデモな作品になるだろうが、そうしたシーンを不穏に感じさせない丁寧な作りであるように思えた。

また、ミュージシャンやライターの名前がたくさん出てくる。
こうした名前をあたりまえに見聞きしていた60年代70年代、この人たちの反対側にいた人たちもまた、あまたいたはずだ。
双方の人たちのような存在を、21世紀のいま、なかなか思う浮かべることはできそうにない。
とういことは、あの頃、あの人たちの姿を見、声を聴き、文章を目にしたときに抱いたような想いを、いま持つこともなくなってしまっている、ということだ。

装幀が、とくに内扉のデザインがすばらしい。
担当したのは石岡瑛子氏。
今月から東京都現代美術館で展覧会「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」が開催される。
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/eiko-ishioka/

1 北アメリカの小さな町から
2 アメリカの影
3 アメリカの矩形の夢
4 ブルース・オン・ブルース
5 他者にかかわることの困難さ
積木箱おぼえがき・1

長田弘/著
大和書房

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