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2020年8月10日 (月)

沈黙の子どもたち 軍はなぜ市民を大量殺害したか

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昨年入手してあったが、1年温め続けたので、8月6日を過ぎ15日を迎える前に、読む。

「はじめに──合理性と不条理の融合が生んだ市民の大量死」でドイツ軍人法の「非人道的な命令を軍人が拒絶しても罪に問わない」(P.8)規定について、そして「最終章 戦後の反省──ドイツと日本は、市民大量殺害とどう向き合ったか」でも『ドイツ連邦軍における「抗命権」とは』(P.266)が書かれているので、軍人法の関連規定の条文を引用しておこう。
軍人法(Gesetz über die Rechtsstellung der Soldaten)
§ 6 Staatsbürgerliche Rechte des Soldaten(市民と同じ公民権を有する規定)
Der Soldat hat die gleichen staatsbürgerlichen Rechte wie jeder andere Staatsbürger. Seine Rechte werden im Rahmen der Erfordernisse des militärischen Dienstes durch seine gesetzlich begründeten Pflichten beschränkt.
https://www.gesetze-im-internet.de/sg/__6.html
§ 11 Gehorsam(抗命権規定)
(1) Der Soldat muss seinen Vorgesetzten gehorchen. Er hat ihre Befehle nach besten Kräften vollständig, gewissenhaft und unverzüglich auszuführen. Ungehorsam liegt nicht vor, wenn ein Befehl nicht befolgt wird, der die Menschenwürde verletzt oder der nicht zu dienstlichen Zwecken erteilt worden ist; die irrige Annahme, es handele sich um einen solchen Befehl, befreit den Soldaten nur dann von der Verantwortung, wenn er den Irrtum nicht vermeiden konnte und ihm nach den ihm bekannten Umständen nicht zuzumuten war, sich mit Rechtsbehelfen gegen den Befehl zu wehren.
https://www.gesetze-im-internet.de/sg/__11.html

あわせて、抵抗権を定めたドイツ基本法第20条も、引用しておく。
ドイツ基本法(Grundgesetz für die Bundesrepublik Deutschland)
Artikel 20 [Grundlagen staatlicher Ordnung, Widerstandsrecht]
(4) Gegen jeden, der es unternimmt, diese Ordnung zu beseitigen, haben alle Deutschen das Recht zum Widerstand, wenn andere Abhilfe nicht möglich ist.
https://www.bundestag.de/parlament/aufgaben/rechtsgrundlagen/grundgesetz/gg_02-245124

本書でとりあげられたところについて、スペイン、ポーランド、シンガポールには行ったことはないので省くとして、まず、「第二章 上海・南京/中国──兵站軽視と疑心暗鬼が生み出した市民の大量死」。
上海には行っているが、戦争は意識しておらず、戦争にかかわるものは見ていない。
南京には行っていないが、重慶には行き、日中戦争時代に重慶が中国の臨時首都だったとき、紅岩村の、中国共産党代表部でその後記念館となった建物が黒く塗られていたのは、空を飛ぶ爆撃機から目立たないようにするためだと聞いた。

「リディツェ」の市民の大量殺害については、本書の「主要参考文献」にはないが、早乙女勝元さんの「プラハの子ども像」がある。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2019/02/post-da27.html
リディツェ虐殺という報復が行われることとなったのは、独占領下ベーメン・メーレン保護領副総督ラインハルト・ハイドリヒ暗殺があったからだが、暗殺(このときは殺害されておらず、入院後死亡)のあと実行した亡命チェコ人たちグループがかくまわれ自決した聖キリルと聖メトドゥース教会(Kostel svatých Cyrila a Metoděje)には、行ってきた。
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ゲシュタポに包囲されたグループのメンバーが自決した地下室は、「ハイドリヒの英雄記念国立記念館(Národní památník hrdinů heydrichiády)」になっているが、その日は閉まっていた。
銃弾の穴が残る壁面に、花が置かれた碑がある。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-0690b3.html

沖縄本島には何度か行ったが、戦争にまつわるところは、南部の戦跡に定期観光バスで訪れただけだ。

広島、長崎には何度か行っている。
最近の広島行きは昨年で、平和公園を歩いた。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/20191123.html
平和公園には、2017年にも行っている。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2017/05/diamond-prin-10.html
このときは、江波に行ったのだった。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2017/05/diamond-princ-8.html

長崎は、2018年の如己堂、2017年の平和公園など。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/01/post-65af.html
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2017/05/diamond-prin-19.html

広島と長崎の原爆投下をめぐっての、「米軍の日本本土上陸を回避して数十万あるいは百万人のアメリカ兵を救うためだった」(P.233)の信憑性については本書でも取り上げられている(P.252)が、8月5日、ロサンゼルス・タイムズ紙に「U.S. leaders knew we didn’t have to drop atomic bombs on Japan to win the war. We did it anyway」との記事が出た。
https://www.latimes.com/opinion/story/2020-08-05/hiroshima-anniversary-japan-atomic-bombs

戦前戦後の、広島と長崎の地図を載せておこう。
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広島
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長崎
さまざまな年代の地図を、『時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」』から確認できる。
http://ktgis.net/kjmapw/index.html

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赤旗日曜版の書評。

はじめに──合理性と不条理の融合が生んだ市民の大量死
第一章 ゲルニカ/スペイン──市街地へのじゅうたん爆撃による市民の大量死
第二章 上海・南京/中国──兵站軽視と疑心暗鬼が生み出した市民の大量死
第三章 アウシュヴィッツ/ポーランド──人間の尊厳を否定された市民
第四章 シンガポール/シンガポール──軍司令部の命令による市民殺害
第五章 リディツェ/チェコ──ナチ要人暗殺の報復で行われた市民の大量殺害
第六章 沖縄/日本──「国を守る」はずの自国の軍人に殺された市民の大量死
第七章 広島・長崎/日本──歴史上ただ二つの核攻撃による市民の大量死
最終章 戦後の反省──ドイツと日本は、市民大量殺害とどう向き合ったか

山崎雅弘/著
晶文社
https://www.shobunsha.co.jp/?p=5375

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