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2020年5月22日 (金)

記憶せよ、抗議せよ、そして、生き延びよ 小森陽一対談集

200422_021  200422_022
コロナ禍のさなか、「記憶せよ、抗議せよ、そして、生き延びよ」のフレーズが賑わった。
ということで、このタイトルの本書を読む。
2本書でも出てくる(P.19)のだが、2004年に著者が遅筆堂と対談したときに、遅筆堂からこの「記憶せよ、抗議せよ、そして、生き延びよ」が出てきたのだが、これは遅筆堂のオリジナルではなく、エドワード・トムソンの「抗議せよ、そして、生き延びよ」に遅筆堂が「記憶せよ」を加えたのだそうな。

本書で著者は、映画を切り口に八人の人たちと対談している。
語りの題材としての映画を知っているか対談相手を知っているときは、対談の進んでいく様子が理解できるのだが、知らない人や知らない映画だと、対談を読んでいても落ちてこない、当たり前だが。

気になったところのメモ(引用ではない)、括弧内は「対談相手/当該文言の発言者」。
自己責任論を打ち出した人たちにあるはずの罪悪感、罪悪感にフタをして自分たちは正しいと自己正当化するときに、「お前らが悪かったのだというふうに被害者である人たちに責任を擦り付けていく」(P.24、井上ひさし/小森)
大江健三郎の、「憲法九条と教育基本法の前文には「希求」という耳慣れない言葉がある」(P.56、黒木和雄/小森)
日本國憲法と教育基本法前文を書いておく。
・第九條 日本國民は、正義と秩序を基調とする國際平和を誠實に希求し、國權の發動たる戰爭と、武力による威嚇又は武力の行使は、國際紛爭を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。(第2項は省略)
・(前略)我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。(後略)
自民党は、防衛庁・自衛隊を認めるために九条を変えようという改憲政党として誕生、総裁が総理大臣、でも総理大臣になると憲法九九条によって憲法を守らなければなたない、だから自民党に入り国会議員になると必ずウソ付きになる。(P.87~88、渡辺えり/小森)
まだ何も決まっていない高校生たちは、かなり真剣に考えている。(P.108、渡辺えり/小森)
この対談は2004年、その後「高校生」たちはどうしたか。
安全保障関連法の論議があった2015年のSEALDsのメンバーたちは、対談のときの「高校生」たちよりもあとの世代だろう。
飲み屋のおっちゃんの論議(P.165、井筒和幸)や配管工のおっちゃんの話。(P.166、井筒和幸/小森)
高校生のときの、文化祭の展示で「国連」をテーマにしたことがあったっけ。
ニューミュージックが個人的な世界に入っていく、私小説。(P.177、井筒和幸/井筒と小森)
きわめつけは、さだまさしだろう。
特にLP「随想録」で、そう思った。

間違いさがし。
「AIPEC」(P.107)とあるが、注で「APEC」とあるとおり。(Asia Pacific Economic Cooperation)。
「ダグラス・スミス」(P.133の写真キャプション)は、注で「ダグラス・ラミス」とあるとおり。

井上ひさし
黒木和雄
渡辺えり
ジャン・ユンカーマン
井筒和幸
高畑勲
班忠義
山田洋次
あとがき

シネ・フロント社

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