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2020年1月 7日 (火)

呪いの言葉の解きかた

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「呪いの言葉」に対するには、そこで言い表された内容だけにとらわれるのではなく、その背後にある問題を見ること、見ることができる力をつけることが大事なことだ。
言い換えれば、呪いの言葉にどう対するかという処方箋を見つけることではなく、そうした言辞にたじろいたり惑わされたりすることのない生き方を身につける、と言うことだろう。
それは本書に即せば、著者の言う「灯火の言葉」や「湧き水の言葉」を出すことができる力を身につける、と言うことになるだろうし、底にあるのは、生きづらい世の中でどう自分を保っていくか、だろう。
その意味では、巻末の「呪いの言葉の解きかた文例集」は不要だと思うし、この文例は、呪いの言葉をかけた相手にすれば、「呪い」と受け取られてしまうだろう。
応酬の繰り返しでは、「呪いの言葉」から解かれることはないのではないか。
内田樹先生も『「答えのない問い」に対しては、今申し上げたように個別的な一問一答で答を暗記してもしょうがない。』と「問いの次数を一つ繰り上げる」でおっしゃっているではないか。

文字数が限定されるSNSでのやり取りは、ある意味では「呪いの言葉」のやり取りでしかない。
たぶん、論議の発端になることはあるとしても、あの場で論議が深まるとはとても期待できない。
そう言う自分も、パソコンの画面に現れた文章を見ただけで反応して、投稿してしまったりもするけれど、そんな投稿の仕方については、本書を読んでちょっぴり反省。

#呪いの言葉の解き方
http://hash-kotoba.thyme.jp/

問いの次数を一つ繰り上げる(内田樹)
http://blog.tatsuru.com/2007/04/10_0947.html

第1章 呪いの言葉に縛られない
 1 嫌なら辞めればいいのだろうか
 2 呪いの言葉の解きかた
第2章 労働をめぐる呪いの言葉
 1 アルバイト学生の悩み
 2 「カラスはやっぱり黒いです!」―『ダンダリン』
 3 持ち込まれた分断—『サンドラの週末』
 4 「だらだら残業」という呪い
第3章 ジェンダーをめぐる呪いの言葉
 1 「妻」役割をめぐる葛藤—『しんきらり』
 2 家事労働はなぜ無償か―『逃げるは恥だが役に立つ』
 3 「母なるもの」が追い詰める
 4 仕事の上では破綻は見せない―男性を縛る「呪い」
 5 支援を受ける権利
 6 私は黙らない
第4章 政治をめぐる呪いの言葉
 1 原発事故後の情報過疎の中で
 2 デモが変えるもの
 3 政権との対峙
 4 国会パブリックビューイング―可視化が持つ力
第5章灯火の言葉
 1 人を動かす言葉
 2 相手と向き合う
 3 仕事のうえでの言葉はリップサービスか
 4 見つめた先に―『わたしは、ダニエル・ブレイク』
 5 偽りの称讃とやりがい搾取
第6章 湧き水の言葉
 1 視界が開けて、言葉が湧き出る
 2 人生やり直しスイッチは、もう押さない―『カルテット』
あとがき
註一覧

付録 呪いの言葉の解きかた文例集―「呪いの言葉」と「切り返しかた」

上西充子/著
晶文社
https://www.shobunsha.co.jp/?p=5340

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