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2019年9月17日 (火)

マルクスのかじり方

190102_101  190102_102
10年ほど前、「蟹工船」がブームとなった。
その背景には、当時の「格差社会」があった。
それからの世の中はどうか。
「格差」は決して解消していないし、むしろ現政権が「この国から非正規という言葉を一掃する」と言わざるを得ない状況となっている。
現政権は、10年前の状況が固定し、再生産されていることに気づいたのかもしれない。
しかし、ここ数ヶ月で、あっという間に特定の国に対する排外的思潮が蔓延してしまっている。
地下に流れていたものが一挙に噴出したのだとしたら、この国の戦後史は何だったのだろうと暗澹たる思いになてしまうが、もしかしたら「格差」=内憂を「嫌韓」=外患に転化して目をそらさせようとしているのかもしれない。
さらに、台風15号に対する国の対応を見ていると、『憲法に「緊急事態条項」がないから、こんなことになっているんだ』ということを宣伝・拡大するための謀略が進行中と思いたくなってきた。
何れの状況から見えてくるのは、「棄民」だ。
本書は、「蟹工船」ブームの少しあとの「若マル」ブーム時代の書籍であるが、10年後のいま、読み継がれているのだろうか。
手にしているのは2018年2月の4刷、続いてはいるようだ。

さて、本書は学生を対象とした「マルクスのかじり方」であるが、基本中の基本として「いかにマルクスをかじるか」が押さえられているのだが、マルクスをかじったらどんな味がしたかを示す入門書ではない。
そして、マルクス自身を、成長しつつ様々な著作(原稿だけのもあるが)を残した人だということこを若い人たちに示したことがミソだろう。
ということで、主要な著作の執筆年齢をまとめてみる。
ライン新聞での活動:24~25歳
ユダヤ人問題に寄せて:25歳
聖家族:26歳
ド・イデ:27歳
共産党宣言:30歳
新ライン新聞での活動:30歳
フランスにおける階級闘争:30~32歳
ルイ・ボナパルトのブリュメール18日:34歳
経済学批判:41歳
賃金、価格および利潤:47歳
資本論第一部:49歳
フランスの内乱:53歳
ゴータ綱領批判:57歳
死去:64歳

はじめに
Ⅰ いまマルクスがおもしろい
 1 自信を持って生きるために
 2 若いマルクスのバイタリティー
 3 「ものの見方」について
 4 資本主義ってなんだろう
 5 よりましな社会へ
 6 共産主義ってどんな社会
 7 マルクスをどう読むのか
ちょっとブレイク わたしの学生時代の思い出から
Ⅱ もう少しマルクスを知る―その生き方、理論
 1 マルクス超入門
 2 生まれた時代と若い頃
 3 マルクスが積み上げた科学の特徴
 4 成長への努力をやめない
 5 マルクスの目で現代を見ると
 6 読むことで開発される能力がある
ちょっとブレイク 学問の楽しさ感じて
Ⅲ 少しかじってみよう

石川康宏/著
新日本出版社
http://www.shinnihon-net.co.jp/general/detail/code/978-4-406-05464-5/

 

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