« みんなで戦争 銃後美談と動員のフォークロア | トップページ | 「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」@国立新美術館と「遊びの流儀 遊楽図の系譜」@サントリー美術館 »

2019年8月 1日 (木)

歴史戦と思想戦 ――歴史問題の読み解き方

190708_001  190708_002
「日本」に誇りを持つならば、「日本」の歴史の中の一つの時代である「大日本帝國」の時代に犯した過ちを謙虚に受け止め反省し、その過ちは二度と繰り返さないと内外に示すことで世界の人々や国々からの信頼を勝ち取ることとなるはずだし、そうした信頼があってこそ「日本」として誇り高くありうると考えるのだが、過ちを過ちとして自ら認識すること、それを示すことが、なぜ、「反日」とされてしまうのか。
「大日本帝国時代の『負の歴史』を否認する言説の論理構造や、そこで多用される論理のトリック、認識の誘導などのテクニックをわかりやすく読み解くこと」(P.289)と著者が述べるが如く、本書では、「大日本帝國」と「日本国」と「日本」を都合のいいように使い分け、「大日本帝國」批判を「日本」批判であるかのように論じ、「大日本帝國」批判者を「反日」とくくる論理を批判する。
戦後70年を経ても、なぜ、南京大虐殺や従軍慰安婦などを「なかった」とするような、「大日本帝國」を前提とした論調が続くのか、あらためて、エーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」が提起した「権威主義」に惹かれる心理を整理しておきたい。
気になる文章は、多々あり。
しかし、一つ一つを拾うのはよそう。
なぜなら、本書全体から掴むべきであるから。

内田樹さん、「『歴史戦』と称する企てがいかに日本人の知的・倫理的威信を損ない、国益に反するものであるかを実証的に論じています。山崎さん、ほんとはものすごく怒っているのだけれど、冷静さを保っているのが偉いです。僕にはとても真似できない」と。

毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20190627/dde/014/040/018000c

週刊朝日書評
https://dot.asahi.com/ent/publication/reviews/2019071200070.html

はじめに
第一章 「歴史戦」とは何か
第二章 「自虐史観」の「自」とは何か
第三章 太平洋戦争期に日本政府が内外で展開した「思想戦」
第四章 「思想戦」から「歴史戦」へとつながる一本の道
第五章 時代遅れの武器で戦う「歴史戦」の戦士たち
おわりに
参考文献

山崎雅弘/著
集英社
https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-721078-1

2019/8/29追記
赤旗日曜版2019年9月1日号に著者の記事が掲載されていました。
190829_a002

 

|

« みんなで戦争 銃後美談と動員のフォークロア | トップページ | 「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」@国立新美術館と「遊びの流儀 遊楽図の系譜」@サントリー美術館 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« みんなで戦争 銃後美談と動員のフォークロア | トップページ | 「ウィーン・モダン クリムト、シーレ 世紀末への道」@国立新美術館と「遊びの流儀 遊楽図の系譜」@サントリー美術館 »