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2019年7月17日 (水)

コミック版 二十歳の原点

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2008年に小林多喜二の「蟹工船」がブームとなり、その年の新語・流行語大賞のベストテン入りしたのは記憶に新しい(とはいえもう10年以上前だ)ところであるが、若者の自民党支持の増加ということがあちこちで言われているいま、なぜ、「二十歳の原点」なのか。
コミック版では、オリジナルそのもののコミック化ではなく、現代の若者杉田莉奈が1969年1月にタイムスリップして高野悦子に会い、彼女との交流からさまざまななものを獲得していくというストーリーとなっている。
タイムスリップした先の時間の進行は、オリジナルの時間の進行に沿っている。
現代の若者から見たら、大学のタテカンやバリケード、機動隊との衝突が日常茶飯事だったことは実感できないだろうと思う。

通っていた大学はすでに70年安保の後だったので騒然とした雰囲気は消えていたが、タテカンだけはいくつも並び、当時、我が校には白ヘルの革マル、黄ヘルの民青、青ヘルの社青同が公然と活動していたが、白ヘル中核はいなかったはずだ。
そして、タテカンを書いたこともある(ただし内容は学生運動とは全く異なるのだが)し、封鎖やバリケードの経験はないが、機動隊の隊列に対峙したことはあった。
なぜ、機動隊が来たのだろうか。
大学当局は機動隊導入には反対のスタンスだったので、当局が呼んだのではないだろう。
上記したように各派が存在していたので、実力行使も含めてセクト同士の対立はあったから、それを口実にして来たのかもしれない。
学外の道路には、監視している車や人は常にいたし。
脛当や篭手をつけた乱闘服にヘルメット、ジュラルミンの盾を持った機動隊は大学の敷地内に入ってきたが、その前に学生たちが並び、それ以上中に入ってくることはなかったのだが、いざこざはあって、盾で殴られたり出動靴で蹴飛ばされたりした学生たちはいた。
小競り合いの学生と機動隊との間に入った大学の事務局のたぶん事務局長だったと思うが、額から血を流していたのを見つけて、混乱した場から引きずり出したということもあった。

「二十歳の原点」を手にした当時、タイムスリップではなく夜行急行「銀河」に乗って京都に行き、立命館やらシアンクレールやら、そして天神踏切を歩いた。
6月24日の、2年後の夏休み明けの9月だった。
ちなみに、硬い座席の客車による夜行だったので、寝台急行の本家「銀河」ではなく、臨時夜行急行「銀河」だったのだろう。
あるいは143Mだったのかもしれないが、京都について喫茶店でモーニングを頼みしばらくしてウトウトしてしまい、「眠らないでね」と言われたのは覚えているから、大垣乗り換えの143Mではあるまい。

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京阪神周遊券と帰りの銀河2号の指定席券が残っているだけなので、周遊券で乗車できる自由席だったのだろう、51か52かは不明である。
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その後も京都には何度も行っているが、2001年にも改めて「二十歳の原点」を巡った。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/age20.html

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シアンクレールの外観がP.20とP.146の2か所に描かれているが、外壁がレンガのようだ。

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けれど、1971年に行ったときの写真を見ると、当時は1階はたぶんモルタル、2階は板張りの壁のようで、レンガ壁になったのはそのあとのことだと思われる。

「矛盾に対さない限り、結局のところ矛盾はなくなることはないし、未熟のままで終わるしかない」、この文章の前に「私自身の未熟を理由として、世のさまざまな矛盾に対することから身をひき退くことはできないということでもあるのだろう。」との文章が出てくる。
そこには高野悦子の「朝日ジャーナルに載っていたの」とのセリフがあるが、出処は、朝日ジャーナル」1969年1月5日号に掲載された小田実の『「未熟」と「発明」─人々は動く・68年から69年へ─』で、「小田実全仕事」の第10巻にも収録されているようだ。
当然、高野悦子が書いた文章も、幾つか描かれている。

本書は、『高野悦子「二十歳の原点」案内』でも紹介されていて、出版の意図なども書かれている。
https://www.takanoetsuko.com/comicban.html

新潮社
単行本は絶版、文庫本のみ、原点以外は電子書籍のみ。
190717_20_31 ・二十歳の原点(紙書籍・電子書籍)
https://www.shinchosha.co.jp/book/118301/
190717_20_32 ・二十歳の原点序章(電子書籍)
https://www.shinchosha.co.jp/ebook/E029211/
190717_20_33 ・二十歳の原点ノート(電子書籍)
https://www.shinchosha.co.jp/ebook/E029221/

カンゼン
ノート、序章、原点の順でシリーズ化されている。
・二十歳の原点 Ⅲ 新装版 http://www.kanzen.jp/book/b62784.html
・二十歳の原点序章 Ⅱ 新装版 http://www.kanzen.jp/book/b62783.html
・二十歳の原点ノート Ⅰ 新装版 http://www.kanzen.jp/book/b62782.html

高野悦子/著
岡田鯛/画
双葉社
https://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-31461-8.html

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