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2019年6月28日 (金)

カレル・チャペック 童話全集

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チャペックの童話は、これまでは中野好夫さん訳の「長い長いお医者さんの話」として出ていて、小学校時代に愛蔵版で読んでいる。
最近では、一年ほど前に、少年文庫版を読んでいる。
http://m-kusunoki.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/post-5a0a.html
あらためて、チェコ語からの訳版も読んでみることにした。
「訳者あとがき」によれば、チャペックは童話は11編書いていて、このうち9編にヨゼフの童話を加えたものが1932年に刊行された。
1964年に、残りの2編も冒頭に加えた版が出て、本書は、全11編の訳である。
ただし訳本の編集にあたっては、1932年版を第1部に、追加2編を第2部としている。

本書と中野好夫さん訳「長い長いお医者さんの話」とを、対比しておこう。
第1部 九編の童話とヨゼフ・チャペックのおまけのもう一編
1 とってもながーい猫ちゃんの童話(9 王女さまと小ネコの話)
2 お犬さんの童話(6 犬と妖精の話)
3 小鳥ちゃんの童話(4 小鳥と天使のたまごの話)
ヨゼフ・チャペックのおまけの一編 大肥満のひいお祖父さんと盗賊の話
4 水男(かっぱ)の童話(3 カッパの話)
5 第二の盗賊の童話(8 山賊の話)
6 正直なトラークさんの童話(7 宿なしルンペンくんの話)
7 とってもながーいお巡りさんの童話(5 長い長いおまわりさんの話)
8 郵便屋さんの童話(2 郵便屋さんの話)
9 とってもながーいお医者さんの童話(1 長い長いお医者さんの話)
第2部 チャペック童話の追加
魔法にかかった宿なしトラークさんの話
しあわせなお百姓さんの話
訳者あとがき

語り口調の文体であるが、この文体は好き嫌いがありそうだ。
語る相手は子どもたちだと言わんばかりの、いかにもな訳語がどことなく上から目線を感じてしまうのだが、チェコ語の雰囲気はどうなのだろうか。
そして、「訳者あとがき」で、「これまでは英語からの重訳が幅を利かせていた」との記述がある。
たしかに重訳では伝えきれないことがあるのはたしかだろうが、中野さん訳が出たのが1962年だったこと(このとき田才さんは30歳前)、当時の日本でのチェコ語を訳す作業の環境がどのようなものであったかを考えると、「幅を利かせていた」とは、中野さんに対して些か無礼ではなかろうか。

カレル・チャペック/著
田才益夫/訳
青土社
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=1413

 

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