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2018年10月10日 (水)

ベルリンは晴れているか

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一種の倒叙ものと言えるだろうが、さらに別の要素が加わって一気に読ませるのだが、それは惹句に言う「歴史ミステリ」としてではなく、70年以上前のベルリンで生きる人たちの描写や街の様子によるものだろう。
しかし、ベルリンには一度しか行ったことがなく、それも今世紀になってから短い日数だったので、ミッテあたりをうろうろしただけであり、戦後の様子はカイザー・ヴィルヘルム記念教会(Kaiser-Wilhelm-Gedächtnis-Kirche)ぐらいしか見ていない。
戦中期から戦後にかけてのベルリンの人々の様子となるとイメージできないし、郊外の様子についても行っていないので想像もできない。
それでも、本書を読み進めていくときには、頭の中で作り上げたに違いないのだが、人々や街、そして郊外のイメージが浮かんでくる。
たぶん、「第三の男」での、瓦礫のなかのウィーンの人々、ベルリンのティアガルテンなどを覚えているからだろう。

地図が付いているが、さほど詳しくないので、時間があったら、本書に登場する場所を地図上に落としてみるかな。

この作品をドイツの人が、今はもう数少なくなっている1945年を知っている人が読んだら、どう感じるのだろうか。
そして、今でも同じような境遇に置かれた人たちがおおぜいいることでは、「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたい」の文章を思い出さざるをえない。

深緑野分/著
筑摩書房

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第160回 直木賞候補作としてノミネート。
http://www.chikumashobo.co.jp/special/berlin/

投稿: 楠の末裔 | 2018年12月22日 (土) 19時52分

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