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2018年9月 2日 (日)

五日市憲法

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本書は、「著者の五日市憲法との邂逅」「五日市憲法について」「五日市憲法起草者千葉卓三郎について」で構成されており、五日市憲法のないようについては簡単に触れているのみである。
「日本帝国憲法」(五日市憲法)は大日本帝國憲法ができる前の私擬憲法の一つで、強固な天皇(国帝)制の規定や自明的な軍の存在など時代の制約は当然受けているが、人権に関しては、国民の要件が、まず「凡ソ日本国内ニ生ルヽ者」とされていることや、「日本国民ハ各自ノ権利自由ヲ達ス可シ他ヨリ妨害ス可ラス且国法之ヲ保護ス可シ」と、当時とすれば相当画期的な内容を持っている。
ただし「凡ソ日本国民ハ法律ヲ遵守スルニ於テハ」「法律ニ定メタル時機并ニ程式ニ循拠シテ」と言った留保規定があることは、当時の時代の反映だろう。

「日本帝国憲法」(五日市憲法)は、あきる野市デジタルアーカイブで全文読むことができる。

数年前、「ガイドブック 五日市憲法草案 ~日本国憲法の源流を訪ねる~」を読んだことがある。

日本国憲法を後生大事に神棚に捧げるのではなく日常の中で活かしていくこと、大日本帝国憲法への回帰的な憲法改正を目論む動きを阻止英することを前提としつつ、憲法論議は興るべし。
そして憲法論議は、千葉卓三郎の警句「討論は順論毎に破れて、逆論勝を占め、衆偶挙て論者の顔色に目を注ぎ、正理を棄て不理を取り、理に党せずして人に党し、理に賛せずして人に賛し、理非其地位を転倒し、理は非に決し、非は理に決するに至る可し」(P.109)を思い起こすべし。

美智子皇后が誕生日に際しての宮内記者会の質問に対する文書回答で、五日市憲法にふれたのは5年前のことだった。

第一章 「開かずの蔵」からの発見
 第一節 明治百年と色川ゼミ
 第二節 自由民権の村・五日市
 第三節 憲法草案との出会い
 第四節 憲法草案を読み解く
第二章 五日市憲法とは何か
 第一篇 国 帝
 第二篇 公 法
 第三篇 立法権
 第四篇 行政権
 第五篇 司法権
第三章 憲法の時代
 第一節 憲法への道
 第二節 民権結社の取り組み
 第三節 五日市の民権運動
第四章 千葉卓三郎探索の旅へ
 第一節 卓三郎追跡
 第二節 戸籍を求めて
 第三節 子孫との対面がかなう
 第四節 履歴書の真否
第五章 自由権下不羈郡浩然ノ気村貴重番智――千葉卓三郎の生涯
 第一節 敗者の生きざま
 第二節 ペトル千葉として
 第三節 五日市へ
 第四節 五日市憲法の「法の精神」
終章 五日市憲法のその後
むすびにかえて
参考文献
付録 五日市憲法草案

新井勝紘/著
岩波書店

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