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2018年6月 7日 (木)

「米軍が恐れた不屈の男」瀬長亀次郎の生涯

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映画「米軍が最も恐れた男~その名は、カメジロー~」を見た。

映画を見たあとで「亀次郎さんの記憶は、1970年の沖縄初の国政参加選挙で当選し、国会に入って階段をあがるシーンです。」と書いたが、カメさんが国会で佐藤首相と渡り合っている姿も思い出した。
本書の一行一行が胸に落ちてくるのであえて引用はしないと思っていたが、ここだけは書いておきたい。
カメさんが佐藤首相と対峙したとき、カメさんは日記に「市長追放、軍事裁判の実体、上江洲悦子さん殺傷事件にふれてえ、3条下における民族屈辱の実たいをあばきだすや総理は姿勢を正していた。さすがにいたかったようだ」(P.221)と記したそうだ。
また「終わってあと佐藤はつかつかと質問者(=亀次郎)のところにやってきてあの本をかしてくれんかという、あげますよと「民族の悲劇」「民族の怒り」をてわたす。(中略)だいぶ印象にのこったとみえる。」(P.222)とある。
そして筆者は「当時の映像を見ても、佐藤の答弁姿勢に亀次郎を侮ったり、皮肉るような様子は見られない。むしろ表情は徐々に引き締まり、真剣みを増していった。思想信条は違えど、佐藤の表情には、亀次郎に対する畏敬の念が浮かんでいた。」(P.222)と続けている。
佐藤首相の立ち位置を肯定するわけではないが、批判する人たちを「「こんな人たち」となじり、国会で答弁するとき尊大な姿勢で質問を皮肉りはぐらかす今の答弁者とは、雲泥の違いだ。

プロローグ 瀬長亀次郎とは何者だったのか
第1章 沖縄を魅了した演説
 米軍はマングースだ
 沖縄は鼠、軍政府は猫
 神様の演説
第2章 米軍VS.カメジロー
 本土から分断された島
 起立せず
 耐えられない民族的侮辱
 米軍はなぜ方の制約を受けないのか
 ホールド・アップ
 “解放者”の本性
第3章 獄中日記
 逮捕、収監
 狙われた「闘争のシンボル」
 煉瓦壁の中で
 宮古の獄へ
 「力の分散」だね
 独習と斗病
 銃剣とブルドーザーに奪われた土地
 「由美子ちゃん事件」の衝撃
 ジレンマの中で
 囚人番号700番
 便宜主義とけつ別せよ
 出獄の日
 「セナガ・ファイル」
第4章 「抵抗者」の軌跡
 むしろのあやのように
 生涯の恩師
 何かをなす人
 この目で見た沖縄攻防戦
 沖縄は捨て石だった
第5章 那覇市長・カメジローの奮闘
 アメリカのご都合主義
 土地を守るんだ、支配から逃れるんだ
 「亀次郎市長」誕生!
 なぜ“共産主義者”が勝ったのか
 初登庁日の演説
 アメリカの「水攻め」
 「不信任」された亀次郎
 命も惜しくない
 「欠席戦術」で抵抗
 火を噴く論戦
 「私は勝ちました」
 市民が下した決断
 繰り替え冴える悲劇
第6章 父として、夫ととして
 水肥びたしの母
 一張羅のツーピース
 5回読み返した手紙
 似たもの夫婦
第7章 国会へ―佐藤首相と対峙
 基地は残った、そのままの姿で
 国会議員・亀次郎
 再び戦場となることを拒否する!
 空虚な式典
第8章 亀次郎の思想
 理想を追うか、現実と折り合うか
 亀次郎は共産主義者だったのか
 沖縄の魂の殉教者
 真の英雄主義者
エピローグ 亀次郎の遺したもの
 死線を乗り越えて
 胸中燃えしか 病床の夫
 なぜ「不屈」なのか
 抵抗は友を呼ぶ
後記
主な参考文献
参考資料

佐古忠彦/著
講談社
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