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2016年9月 8日 (木)

スペイン人民戦争 全集・現代世界文学の発見

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「革命」や「社会主義」が未来に希望を託すことができた時代は、いつ終わってしまったのだろうか。
いや、終わってしまったとは決めつけたくはないのだけれども。
本書は1970年の刊行であるが、60年代から続くのこの頃は、世界的にベトナム戦争を契機とした反戦運動や学生運動が繰り広げられ、そして日本では、安保条約をめぐる反安保闘争が新聞紙面をテレビ画面を賑わせていた時期だ。
70年代には多くの革新自治体の誕生やユーロ・コミュニズムが光った時期もあったけれども、以後は広範な人びとを巻き込んだ動きは途絶えてしまい、90年以後は社会主義やマルクス主義に「負」としてしか意義が認められなくなった感もある。

スペイン戦争については、学生時代にはあれこれ文献を読んだり、文章を書いたりした。
なぜスペイン戦争に興味を持ったのか、その直接のきっかけは思い出せないが、そのひとつは「カタロニア賛歌」(オーウェル/現代思潮社、初版は1966年、所持は197年版1)であるのは確かだろう。
当時、そして以後、どんな本をよんでいたのか思い出してみると、
スペイン市民戦争 上下 (ヒュー・トマス/みすず書房)
ドキュメント現代史7 スペイン革命(山内明編/平凡社)
スペインにおける戦争と革命(ドロレス・イバルリ/青木書店)
オリーブの墓標(石垣綾子/立風書房)
ロルカ・スペインの死(イアン・ギブソン/晶文社)
といったところか。
その後もさまざまな他の書籍類も出てきているので、当時の評価とは異なった評価となるかもしれない。
あのころは、文学では「誰がために鐘は鳴る」(ヘミングウエイ)とか「希望」(マルロー)を読み、映画で「誰がために鐘は鳴る」「日曜日には鼠を殺せ」「戦争は終った」あたりを見ていたのだが、文学を切り口としてのスペイン戦争を評価してみようといったことは、考えたことはなかった。
その後も気にはなっているテーマで、ケン・ローチ監督の映画「大地と自由」はむかし見たし、「壁の中の妖精」は舞台に行った。

長田弘さん編で、編集方針はよくわからないけれども、ファシスト側に拠った人の作品(「スペイン・1938年」や「ガルシーア・ロルカ論」)もある。
なぜこうした作品も選択されたの?という気もするが、かえって、ファシスト側が共和国側をどう見ていたのかをうかがうことができる。
長田弘さん自身の訳がひとつと解説も寄せている。

スペインの叫喚 エレンブルグ著/中里迪弥
自由をテーマに ドス・パソス著/中理子訳
スペイン戦争の戦友への手紙 ヘミングウェイ著/松本唯史訳
スペイン・1938年 ロベール・ブラジャック著/ 高橋治男訳
秋の日記 ルイス・マクニース著/中桐雅夫訳
スペインは世界の作家を招く スペンダー著/長田弘訳
同志ビラ/ブルネーテ/伝説の時代 ラルフ・ベイツ著/鈴木健三訳
ナバラ C.D.ルイス著/小田島雄志訳
ガルシーア・ロルカ論 ロイ・キャンベル著/桑名一博訳
解説 スペイン戦争の芸術家たち―索引の試み 長田弘

學藝書林

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