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2015年11月18日 (水)

戦争はさせない―デモと言論の力―

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今年、国会前や地域で行われた「戦争法案」に反対する集まりに、顔を出した。
「戦争法案」は、何より大切な憲法との関係に対しては「神学論争」などとして論点をそらし、強引な形で9月に成立してしまったのだが、「戦争法案」を成立させまいと国会を取り巻いた人びとの声は、これからどのように動いていくだろうか。

無恥之尤岸信介
不知侮禍昧天良
安保条約改訂がが強行採決されたとき、郭沫若がつくった漢詩「日本国民に寄す」だそうだ。
岩波新書「1960年5月19日」(日高六郎編)にあるらしい。
また、同書にあるのかは明示されていないが、藤田省三は『「アメリカ帝国主義の手先」を「自ら進んで日本国の身体を提供しようとする」とか、「最もいやらい亜優等生の精神をもち、怒られても知らん顔されてもつねにシッポを振ることしか知らない飼い犬の根性」と、岸内閣を支えた官僚たちを批判している』と書いているそうな。
55年前と何ら変わっちゃいない。

鎌田氏は、「戦争をさせない1000人委員会」の呼びかけ人のひとりでもある。
ジャーナリストらしく「戦争法案」あるいは原発や沖縄の状況にするどく切り込み、その姿勢は自らの立ち位置でもあるジャーナリズムに対しても遠慮しない。
最後の『「さようなら原発」「さようなら戦争」関連年表』は、今後の資料としても大事だろう。

ジャーナリズムといえば、11月15日の読売新聞に、「放送法遵守を求める視聴者の会」の一面全面意見広告が載った。
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どうやら11月14日の産経新聞にも載ったらしいが、朝日や毎日に掲載された様子はなさそうだ。
放送法第1条や第3条、ましてや憲法に一切ふれることなく第4条を持ち出して、放送のあり方に問題があるように主張しキャスターの名前を挙げて攻撃しているのだが、政府の見解に批判的な報道や番組は偏向であるとするのは、「知る権利」を借りて言論を封殺しようとする魂胆がありありと見えてくる。
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これは、放送倫理・番組向上機構の検証報告「NHK総合テレビ『クローズアップ現代』“出家詐欺”報道に関する意見」で、政府や権党が批判されたことと無関係ではあるまい。
検証報告では『政府がその政治的な立場から放送に介入することを防ぐために「放送の不偏不党」を保障し、また、時の政府などが「真実」を曲げるよう圧力をかけるのを封じるために「真実」を保障し、さらに、政府などによる放送内容への規制や干渉を排除するための「自律」を保障しているのであ』って、『「自律」が放送事業者に保障されているのであるから、放送法第4条第1項各号も、政府が放送内容について干渉する根拠となる法規範ではなく、あくまで放送事業者が自律的に番組内容を編集する際のあるべき基準、すなわち「倫理規範」なのであ』り、『したがって、政府がこれらの放送法の規定に依拠して個別番組の内容に介入することは許されない。』(検証報告P.26)としている。
広告を出した人たちは、こうした考え方が気に入らないのであろう。
あるいは、ジャーナルではなくジャーナリズムであることが嫌なのかもしれない。
政府を規制する憲法ではなく国民をしばりたい憲法を求めたい人たちが、いかにも考えそうなことであるが、「呼びかけ人」に名を連ねている人たちは政治にかかわっている人たちではなく、「文化」「学問」にかかわる人たちなのである。
自分たちの属する世界を縛ることになるのに、それでいいのだろうか。
「NHK総合テレビ『クローズアップ現代』“出家詐欺”報道に関する意見」は、ここから。

はじめに――憲法違反を認めないつぎの運動をはじめよう
第1章 安倍政権の危険すぎる手口
 戦争しか見えない一本道政治家
気のちいさな権力者/日本の国会より米国重視の首相/米国議会演説での「過剰サービス」/安倍談話の欺瞞/衣の下の軍国主義/戦争は「正義」によってはじまる
 安倍政権下,攻勢に曝される報道
メディアと法制局を抑える/日本会議メンバーの異様な発言/「ナチス・ドイツの手法を学んだらどうか」/百田発言と議員による言論弾圧発言/無関心と差別性を反映する「報道圧力」/ごますりと言論封じと
 市民運動と報道
第2章 さようなら原発,さようなら戦争――新しい広場をつくる
 「いのち」をキーワードにした新しい運動
奇襲としての2014年衆院選/5月3日,脱原発と改憲阻止の大集会/第一次安倍内閣からの策動/憲法をめぐる攻防戦がはじまる/選挙で社会を変えるには/労働団体主導から市民主導の運動をつくる/呼びかけ人方式で脱原発集会を開催/SEALDs,学生たちの行動/原発政策とつながる安倍内閣の安保政策/核兵器開発のポテンシャル/軍事強国化に「ノン」の運動をすすめる
 フクシマの前と後――戦後70年,事故後4年
原発事故後の風景/原爆被災後の風景/日本の経済復興とは何だったか?/懐柔された労働運動/いのちの思想へ/水俣とフクシマ/経済的利害より生存権――福井地裁判決/生活喪失の悲劇を繰り返すな
 怒りをあらたに,あらゆる再稼働を止めよう!
――2015年8月,川内原発ゲート前より
 広場と民主主義――「戦争をさせない」闘いの記録
戦争をさせない1000人委員会アピール/「戦争をさせない1000人委員会」出発集会開会あいさつ/「戦争をさせない1000人委員会」6・3講演集会発言/とめよう!戦争法案,集まろう!国会へ/6・14国会包囲行動集会スピーチ/戦争法案廃案!安倍政権退陣!/8・30国会10万人,全国100万人大行動集会スピーチ
第3章 戦争のリアルを見つめる
 陸羯南とジャーナリズム――国益と民益のあいだ
 山田風太郎『同日同刻』誤断の証明
真珠湾とヒロシマ/『同日同刻』の手法/事実をとらえる眼
 歴史記録の金字塔――村山常雄『シベリアに逝きし人々を刻す』
ダモイ先生/シベリア抑留の実態を描く/絶望を抱え生きる/死者の名前を掘り起こした「紙碑」/ひろく世に知らせる/死者の「人格」を取り戻す/国の責任が問われている
第4章 闘うひとびとと出会う
 同じ構図の,原発と沖縄――菅原文太さんとの対話
東北の歴史は国家の失敗の歴史/原発も東北侵略の延長線上にある/このままでは日本は「放射能列島」になる/これからの脱原発運動の在り方とは?/沖縄と原発は同じ構図
 沖縄で出会ったひとたち
沖縄の思想/阿波根昌鴻さんの闘争/岸本建男さんの逆・格差論/海はひとの母―安里清信さん/希代の自由人・金城実/わが酒友・石川文洋/運動の設計者・真喜志好一さん/沖縄に救われた灰谷健次郎さん/反戦の魂・知花昌一/愚直なまでの理想主義・大田昌秀さん/ミスター99条・山内徳信さん/沖縄運動の灯台・新崎盛暉さん
 エロスと反逆――瀬戸内寂聴さんのいき方
あとがき――「9・23さようなら原発さようなら戦争全国集会」発言より
初出一覧
「さようなら原発」「さようなら戦争」関連年表

鎌田慧/著
岩波書店

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