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2014年12月29日 (月)

ロースハムの誕生―アウグスト・ローマイヤー物語

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日本で名の知られた「ユーハイム」や「ローマイヤー」は、もとは第一次世界大戦時に日本で捕虜生活を送ったドイツ人が、戦後も日本にとどまり、日本で始めた仕事を受け継ぎ現在に至っている会社である。
本書はサブタイトルに「アウグスト・ローマイヤー物語」とあるように、「ローマイヤー」を設立したアウグスト・ローマイヤー(August Lohmeyer)の評伝と言ってもいいのdろうが、むしろ、ローマイヤーを中心とした日本で暮らすドイツ人たち(ゾルゲも含めて)のドキュメント、あるいは、著者によるローマイヤー調査レポートとして読むほうがいいのかもしれない。
記述される年代が前後に飛ぶことがあったり、語られる内容も一貫しているとはいえないので、ちょっと読みづらいところがある。
自身は第一次世界大戦におけるドイツ俘虜関連の流れで本書を読んだのだが、本書を読むにあたってはドイツ俘虜についてある程度の知識があるほうがいいかもしれない。

アウグスト・ローマイヤーは妻のフサとともに、横浜が偉人墓地に眠っている。

「船首第一中看板、キャビン番号何番」(P.64、船での航海中の「ハウスナンバー」が書いてある札の説明)の「船首第一中看板」は「船首第一中甲板」であろう。
「カイザリン・エリーザベト」のマコーヴィッツ(Makowiz)艦長の、福岡における1917年の写真(俘虜時代)が192ページに掲載されていた。
「チンタオ・ドイツ兵俘虜研究会」サイトの俘虜名簿には、「1918年3月22日福岡から習志野へ収容所換えになった。1919年12月28日喜福丸で横浜を出航して帰国の途に着いた。」とある。

メロンパンの発明者が、日本に残ったローマイヤーが帝国ホテルで働いていたときの先輩であるアルメニア人だという説、ケテルがローマイヤーのところで働いていたこと、が本書で紹介されている。
そして、レストラン・ローマイヤーは健在だが、レストラン「ケテル」は10年ほど前に閉店してしまった。
また、函館の同業者カール・レイモンがパン・ヨーロッパ運動とかかわったことが紹介されているが、リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーとは交流があったのだろうか。
もしかしたら、著者の「レイモンさんのハムはボヘミアの味」(河出書房新社・刊)で触れているのかもしれない。
「ユーハイム」にも関連していくつか本が出ていはいるのだが、入手は難しそう。

序―青島
一 だれがロースハムを「発明」したのか
二 ローマイヤーの生い立ち
三 不穏の海
四 第一次世界大戦
五 青島陥落
六 東京で新しい出発
七 それぞれの戦線
八 ゲシュタポ 特高 憲兵隊の時代
九 日はまた昇る
エピローグ
参考文献
ご協力いただいた組織と個人
あとがき

シュミット・村木真寿美/著
論創社

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