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2014年4月 8日 (火)

憲法はまだか

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憲法前文は言う。
そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
この、「憲法は、国家=権力を縛るもの」という考えに対し、それは古い時代の考え方であるとの反論が、権力の中枢にいる人たちからなされている。
そして、この人達は、日本国憲法は「押し付け」であるとする。
日本国憲法の成立経過をたどれば、最初からGHQ案が存在していたわけではないことはわかるはずなのだが、なぜGHQ案が示されたのかということに触れず、単純に日本国憲法は「押し付け」「素人作」などと宣伝されているように思う。
「現代社会において、国家の基本法である憲法は、国家権力の暴走を戒める縄のようなものである。国民が改正を望むならまだしも、権力側にある者が、縄を解いてくれというのは、いささかうさん臭い。」(「十五 百年の計」P.424より)
改憲に進みたい人たちも、一度は本書に目をとおしても良いのではなかろうか。

少し引用してみる。
1946年2月2日の閣議でGHQ草案の受け入れを決定した後の、松本憲法改正担当国務大臣と、憲法問題調査委員会の委員でもあった宮沢俊義東大教授とのやりとりである。
・・・・・・
「すると何かね、宮沢さんはアメリカの押しつける憲法を、すんなり容認しろというのかね?」
「押しつけとはいえないでしょう。我々はナショナリズムにこだわりましたが、あの憲法案は、インターナショナルですよ。国家という概念を飛び越えて、人類の理想が示されています。戦争を放棄して、平和国家を建設するという、空前絶後の条文には、心を洗われました」
「宮沢君はいつから理想主義者になったんだ?」
・・・・・・
「理想を持たない人間には、人間としての価値がありません」
・・・・・・
(「十 受胎告知」P.278より)

「憲法はまだか」は、NHK土曜ドラマで1996年11月30日に第一部「象徴天皇」が、12月7日に第二部「戦争放棄」が放映され、本書はこのドラマを小説化したもの。

2009年2月28日・3月7日・9月23日の3回にわたってNHKで放映された「ドラマスペシャル・白洲次郎」でも、憲法成立過程の場面があった。

ジェームズ三木/著
角川文庫

憲法はまだか(2) 日本国憲法成立経過
憲法はまだか(3) 大日本帝国憲法と宮沢甲案(「甲」)、宮沢乙案(「乙」)、松本私案(「松」)の対比
憲法はまだか(4) 憲法改正要綱

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