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2014年3月24日 (月)

スターリン以後の東欧

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原著は「Histoire des démocraties populaires après Staline 1953 – 1971」で、1953年のスターリンの死から1970年代末までを扱い、「スターリン時代の東欧」の後編にあたる。
ただし、原著は1972年の刊行で、本書の刊行は1978であり、本書の「13 東ヨーロッパにおける社会主義と民族主義」は著者によって本書のために1971年以後の情勢について書かれている。

1945年から(必ずしも「1945年から)とは言いきれないが)はじまったソ連圏としての東欧の歴史が1989年で終焉を迎えるだろうとは、この当時、誰も思いもしなかった。
ひとくちに「共産圏」「東欧」「衛星国」などと言われていた東欧のそれぞれの国々は、ソ連の政治的軍事的計税的文化的影響下にありながらも、それぞれの条件に応じてそれぞれの「独立」性を模索していた。
決して「一枚岩」ではなく、それぞれしたたかさを見せている。
特に、国ではあっても国としては長い間認められて来なかったドイツ民主共和国、いったんソ連の軍事介入を招きながら「我々に反対しない者は我々の味方である」と「グヤーシュ・コミュニズム」に至ったハンガリーなど、東欧のそれぞれの国々が1989年に果たした役割の芽が、そして90年代に爆発するユーゴスラヴィアの民族紛争の芽が、すでに生まれ出てきていることを理解することができる。
この時代の国々がすっかり体制を変えてしまったいま、前書を含めた「東欧」の歴史をあらためて評価することは、当事者各国においても、第三者によっても、今ではほとんどなされなくなってしまっているのかもしれない。

目次
まえがき
凡例
1 あたらしい路線
2 ソ連と東ヨーロッパ諸国の関係調整
3 第二十回ソ連共産党大会
4 非スターリン化をせまられる東ヨーロッパの指導者
5 一九五六年における二つの十月革命
6 修正主義および民族共産主義と対峙する神聖同盟
7 中ソ抗争と東ヨーロッパ
8 フルシチョフ指導下における自由化
9 フルシチョフ後の東ヨーロッパ
10 ユーゴスラヴィアにおける第二の革命
11 チェコスロヴァキアの悲劇
12 プラハ以後
13 東ヨーロッパにおける社会主義と民族主義
訳者によるあとがき

フランソワ・フェイト(François Fejtő)/著
熊田亨/訳
岩波現代選書(17)

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