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2013年9月 2日 (月)

ベルリンの壁-ドイツ分断の歴史

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原著"Die Mauer - Geschichte einer Teilung"は、壁が崩れて20年の2009年に刊行されている。
本書はベルリンの壁をめぐる通史であるが、多数の資料(巻末の「註」に多数掲載)を使って、壁の歴史を記述しているので、本書からさらに深めることができる。

「壁」は1989年のベルリンでのできごとだけではなく、冷戦をめぐる歴史にもつながり、また、ヨルダン川西岸で、米墨国境で築かれている。
ドイツの壁は、久野的な顕教的側面は「ファシスト防壁」、密教的側面では「流出防止」であったわけだが、ヨルダン川西岸の壁は顕教的側面はテロリスト防止、密教的側面では入植地の領土化ということができるだろう。
米墨国境の壁は、顕教的・密教的などうなのか。
さらに、「壁」は物理的な壁だけではない。
日中あるいは日韓のお互いにお互いを見る目の間にも、「壁」がある。

今年はベルリンの壁に穴があいて24年。
あまりキリのいい数字ではないが、そういえば、ベトナムに行ったのも全土解放24周年の時期だった。
ベルリンに行ったのは2008年、街を歩く時間はほとんどなかったので、東西の痕跡は、ブランデンブルグ門とポツダマープラッツで飾られた壁を見ただけだった。

序文 壁にむける視線
1章 衝撃―壁建設、1961年8月13日
2章 前史―壁建設への道
3章 安堵―西側と壁建設
4章 壁による閉じ込め―「沈静化要因」としての壁
5章 人狩り―逃亡の成功と失敗
6章 うそ―「反ファシズム防壁」
7章 立派な外観―壁緊張緩和の時代の壁
8章 終わりのはじめ―東ブロックの不穏な情勢、新冷戦
9章 世界最長のカンバス―ポップ・アートの壁
10章 自陣営内の敵―ドイツ社会主義統一党とミハイル・ゴルバチョフ
11章 世界を揺るがした出来事―1989年、壁の倒壊
12章 壁の消滅と記憶へ―壁が後に残したもの
むすび 現代世界における壁
訳者あとがき
索引(事項索引、人名索引)

エドガー・ヴォルフルム(Edgar Wolfrum)/著
飯田収治・木村明夫・村上亮/訳
洛北出版

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