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2013年6月17日 (月)

平和主義とは何か-政治哲学で考える戦争と平和

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「平和主義」について議論すること、そして今一度「説得力のある平和主義のあり方を探」ろうとすること、そこはわかるのだが、全体として隔靴掻痒感が残る。

著者の論旨を図式化すると、
平和主義
・絶対平和主義:トルストイ
・平和優先主義:ラッセル
○義務論:行為の正しさをその行為それ自体から判断
○帰結主義:その行為によって引き起こされた事態から判断する
非平和主義
・正戦論
・現実主義
・人道介入主義
ということになるだろう。
それぞれの立場との「対話」は、本書に譲るとして。

著者は「平和優先主義」に立つとしているが、ありとあらゆる課題の解決方法として「戦争」のみがその手段であるとする選択を別にすれば、著者の選択する「平和優先主義」と著者の批判対象とする「非平和主義」との間の線引きは、いかようにも理屈づけられるのではないか。
著者自身、「非平和主義」においても、戦争より平和が望ましいと考えているととらえているのだから。
また、「愛する人が襲われたら」批判への著者の反論は、反論というよりも「批判に値しない」と言っているだけのように思う。
むしろこの「愛する人が襲われたら」の著者J・H・ヨーダのスタンスである「絶対平和主義」に焦点をあて、その可能性を探求することが、「説得力のある平和主義のあり方を探」ることにつながるだろうと考える。

そのうえで、日本が今置かれている状況、東アジアを中心とした各国との関係、また、日本国憲法をめぐる諸説、こういった状況を「平和主義」との関係で整理する作業が必要なのだろう。

第1章 愛する人が襲われたら―平和主義の輪郭
第2章 戦争の殺人は許されるか―義務論との対話
第3章 戦争はコストに見合うか―帰結主義との対話
第4章 正しい戦争はありうるか―正戦論との対話
第5章 平和主義は非現実的か―現実主義との対話
第6章 救命の武力行使は正当か―人道介入主義との対話
終章 結論と展望

松元雅和/著
中公新書

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