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2011年11月22日 (火)

ドイツの歴史【現代史】・・・ギムナジウムの教科書

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690ページと、大部である。
しかも、原書の半分。
これを、ドイツのギムナジウムの生徒が学ぶのである、何年かけるのかはわからないが。。

しかし、これは「暗記」するための教科書ではない。
歴史をいかに見るか、自分自身の歴史認識をどう育むかに力点がある。
文献資料も豊富であり、その資料を読ませて課題を与えている。

たとえば「我が闘争」からも、いくつかのパラグラフが紹介されている。
そのパラグラフに対し、
ヒトラーのユダヤ人の定義を簡単にまとめなさい。彼はそれをどのように根拠づけたのでしょうか。
といった設問がある。

あるいは、ワイマール共和国の章が終わったところで、いくつかの課題を設定している。
たとえば、。
ワイマール共和国を歿落に見いびいた主要な理由を上げ、政治的・経済的・社会的理由間の関係からそれらの関連具合を説明しなさい。
と聞くなど。

歴史は、年表ではない。
できごとを覚えても、「歴史」の勉強にはならない。
自分で考えること、いまと関連付けること。

文献の紹介、章ごと、図版ごとに、課題が与えられている。
文献:
社会民主党の1959年の党大会で議決された「ゴーデスベルク綱領」の一部について、「<民主的な社会主義>の基礎的な形をまとめなさい。」
章:
<ヨーロッパ統一通貨は是か非か?>のテーマでパネル・ディスカッションを開きなさい。
図版:
「シンドラーのリスト」の最後のシーンのスチール写真(救済されたユダヤ人に囲まれたシンドラー)について、「カメラワークと照明効果を分析し、場面を解釈しなさい。」
それぞれ、答えることができるだろうか。

目次
まえがき
原著まえがき
第1章 民族主義と自由主義――ドイツの永い19世紀
 1 自由主義思想と民族主義――ドイツ帝国設立まで
 2 ドイツ帝国における官主国家体制と国民
 3 帝国主義と第一次世界大戦
第2章 ワイマール共和国――ドイツ最初の民主主義体制
 1 初期のワイマール民主主義体制に課せられた重荷
 2 〈相対的な安定〉期
 3 民主主義体制の挫折
第3章 ヨーロッパにおける国家社会主義の独裁政治
 1 全体主義としてのナチの支配システム
 2 国家社会主義・ナチズムのしかけた戦争と殲滅政治
 3 国家社会主義に関する歴史論争
 4 ファシズムのイタリア
第4章 1945年以降のドイツ、政治と社会
 1 東西対立の象徴としてのドイツ分裂(1945-1949年)
 2 議会民主制の確立と社会主義労働者統一党(SED)支配の確立(1949-1961年)
 3 分裂した両ドイツそれぞれの発展と挑戦の根本的性格(1961~1989年)
 4 ドイツ民主共和国の平和革命、1989~90年の再統一への苦闘
 5 縦断面:女性と女性解放運動
第5章 欧州と世界:20世紀が歩んだ道とその構造
 1 20世紀の世界政治の構造
 2 1945年、第二次世界大戦終結後のヨーロッパ
 3 国際連合の発展
 4 世界共同体創立への挑戦:非植民地化と第三世界
索 引
あとがき
ドイツ歴史教科書出版の思いと感謝の辞
ドイツの歴史――古代から近代まで 総目次
図版出典一覧
原典
ギムナジウムの高学年生用の歴史教科書『歴史の時刻表―古代から現代まで―』
Kursbuch Geschichte Von der Antike bis zur Gegenwart

ヴォルフガング・イェーガー、クリスティーネ・カイツ/著
中尾光延、小倉正宏、永末和子/訳
明石書店
ISBN-10:475032387X
ISBN-13:978-4750323879

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