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2011年6月15日 (水)

若者よ、マルクスを読もう (20歳代の模索と情熱)

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Karl Heinrich Marx、1818年5月5日生まれ、1883年3月14日死去。

この本では、マルクスが20歳代のとき(!)の、次の著作がとりあげられている。
共産党宣言:1848(29歳)
ユダヤ人問題に寄せて:1844(26歳)
ヘーゲル法哲学批判序説:1844(56歳)
経済学・哲学草稿:1844(26歳)
ドイツイデオロギー:1846(28歳)

「疎外された労働」、これはいずれ剰余価値学説として資本論に結実していくものであるが、懐かしい響きではある。
「剰余価値」と言われてもぴんとこないけれど、「疎外された労働」であれば、感覚に訴えてくるし。
まぁ、感覚にとどまっていては、その先に進めないし、当のマルクスにしても迷惑な話だろう。
この頃の到達点は終点ではなく、その後どんどん変わっていくのだが、あれこれのたうち迷いながら考え方を育てていくマルクス、そこにかかわるエンゲルスの姿が見えるようだ。
そうしたプロセスをふまえることが、大事なことだろう。

このあとに、
フランスにおける階級闘争:1850(32歳)
ルイ・ボナパルトのブリュメール18日:1852(33歳)
賃金、価格、利潤:1865(47歳)
資本論第1巻:1867(48歳)
フランスにおける内乱:1871(53歳)
をとりあげていくとしている。
楽しみであるが、「出た時のお楽しみ」なんだそうな。

メモしておきたい事項のいくつか。

『マルクスはぼくの問題を解決してくれない。けれども、マルクスを読むとぼくは自分の問題を自分の手で解決しなければならないということがわかる。』(p.39)

共産党宣言の最後は、万国のプロレタリア団結せよ!で終わっているが、宣言というある種のプロパガンダの最後のことばが敵に対峙し鼓舞する言葉ではないこと、『「決起せよ」「打倒せよ」「奪還せよ」でもなく』(p.48)『「友愛」の言葉で締めくくった』(p.49)こと

ユダヤ人の、ドイツ語では接続法第二式である前提での表現の解説。(p.130)
日本語にしたのでは通り過ぎてしまうような部分でも、ドイツ語はこのような表現であると言われると、解釈が変わってくる。

『疎外論の出発点が「自分の悲惨」ではなく、「他人の悲惨」に触れた経験』で、『「彼らを疎外された労働から解放するのは私たちの仕事だ」と主張した』こと。(p.152)

『マルクスがめざすのは、』『「人間による人間のための人間的な本質の現実的獲得としてのコミューン主義」』(p.156)(経哲は1844年)
『リンカーンのゲティスバーグ演説と似てますね。「人民の人民による人民のための政治」』(p.156)(ゲティスバーグ演説は1863年11月19日)
南北戦争が終わったとき(1865)に、ロンドンにいたマルクスはリンカーンに戦勝を祝う電報を打ったそうだ。

ドイデ、史的唯物論のスタート(p.170)、人間の全面発達のスタート(p.199)。

そのほか、マルクスのtipsがちりばめられている。

内田樹、石川康宏/著
かもがわ出版

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